小菅山(こすげやま)
 〜緑したたるブナの美林に感激〜標高1,050m〜
 この山の山麓にある「北竜湖」とか、また「小菅神社」の奥社は比較的有名ながら、その裏山であるこの山に目を向ける人は案外少なそうだ。実際、筆者も数年前に丸山晴弘氏著『山旅湯旅ふたたび』の中でその名を目にするまでは、登ってみようという気もなかった。
 この山に登るには、先述の小菅神社奥社の参道から。行くみちみち、様々な奇岩や信仰の遺跡を路傍に見つつ、奥社の社殿に登り着く。その荘厳なたたずまいは、さすがに国の重要文化財、一見の価値あり。頂上へは奥社の手前の分岐から左へ回り込むようにして上がる。頂上近くでは周囲は緑したたるブナの美林に感激。道は最高点を通っていないが、薮はそれほど密ではないので、適当に見当をつけて登りつめると、難なく到達できる。ここまで登山口から1時間少々。展望もなく、標識すらない全く地味な場所ながら、あたりを見回すと、まるでカムフラージュするかのごとくに苔むして、ごくわずかに頭を見せる端正な石を足元に見出した。何だろう、と有り合わせの枯れ枝で発掘してみると、それが何と古い三角点標石。「主三角點」と刻まれているのが判別されたが、「點」の字からして、結構古いもののよう。もっとも、今回リンクさせていただいた国土地理院の地図上には三角点表示がないが… 実はこの主三角点というのは、調べてみるとやはり現行の三角点よりは古い時代に設置されたものとのことで、必ずしも現行三角点と一致はしていないのだとか。

 ← 美しいブナ林(小菅山頂上付近にて)

【緯度】365343 【経度】1382634
(最高点とおぼしき箇所の標高表示がないため、等高線による標高を記載。)