八剣山(はっけんさん)
〜中途の「北ドブ湿原」のお花畑が美しい〜標高1,676ｍ〜
別掲の高標山と同様「カヤノ平」を登山口とする山。どちらかというと高標山の方が有名なようだが、登山コースの中途で出会える「北ドブ湿原」の美しさは、高標ではお目にかかれない珠玉の景観。「ドブ」という語感が側溝をイメージさせて芳しくなく、実は筆者もそれに惑わされて、ずいぶん来訪が遅れてしまったのだが、現実は側溝どころか、まさに「お花畑」と言うに相応しい、知る人ぞ知る山上の楽園。ことに筆者の訪問時には、ちょうどうまく時季が合い、サンカヨウ、リュウキンカ、ミツバオウレン、タテヤマリンドウ、キヌガサソウ等々、美しい山の花々の数々に遭遇できたのだ！
この山の登山口は、「カヤノ平」の総合案内所のあるあたり。そこの駐車場に車を駐め、見事なブナ林を突っ切って進む。途中、分岐点があるが、ここは迷わず「北ドブ湿原」経由のコースを採用すべき。やがて達する湿原の景観は前述の通り。湿原の縁をたどり、先刻分岐した道と再度合流して、わずか登ると頂上だが、そこは樹林に囲まれ展望はなく、山頂標識と三角点標石がある程度で、先に通過してきた湿原の印象度に比べれば、いささか地味な場所との感は禁じ得まい。登山口からここまでほんの１時間半程度。別掲の高標山と同様、全体的に緩傾斜のコースなので、中途の湿原の美しさとも相俟って、家族登山に好適な山ではないか。ちなみに筆者の場合、５歳の長男同伴でも、コースタイムにさして影響なし。
← 「北ドブ湿原」と八剣山(左奥)(1,675.8ｍの三角点ピークが、本項で紹介する八剣山です。)
