金井山(かないやま/金井山城址)
 〜古くから「柴石」の産地として知られる〜標高480m〜
 長野自動車道の長野ICのすぐ北あたりに目につく、小さいながら特徴的な崖によって割と目立つ山。あまりに小さいため、つい行きそびれている感もあるが… 実際に訪れてみれば、短時間ながら結構見所の多い、愛すべき里山。ちなみに、例の特徴ある崖は石切場で、そこで産出する石は「柴石」と呼ばれ、古くから石材として珍重されてきたようだ。実際、この山の周辺には今も石材業者が目につく。また、この山は戦国時代、金井氏の山城の址(金井山城址)でもあったといい、頂上付近には比較的小規模ながら郭や堀切らしきものがみられ興味深い。
 この山の登山口は「金井池」のすぐ脇だが、駐車スペースは狭い。この池、地元の釣りファンには結構有名な場所ゆえ、状況によっては駐車できない可能性があるので注意。登山口付近には小祠や石仏が多く祀られており、まずはそれらに一礼して登り始めると、行くみちみち、剣を刻印した石碑や、岩の割目の間に祭られた石祠、善光寺平の眺めが良い展望台、東郷元帥筆の忠魂碑などを次々と見つつ、「不動心」こと金井山不動尊の前に至る。結構立派な拝殿の奥には素朴かつ見事な不動明王石造が安置され、自然、厳粛な気持ちになるだろう。しっかりした遊歩道はそのやや上の「金井山平和観世音」の大きい石像のすぐ先で終わっているが、最高点はまだその先。踏跡をたどって先に進むと、特に案内標識はないが、いきなり顕著な円形の古墳に遭遇して驚かされる(大室古墳群の一部)。さらに進む途上に次々と現れる露岩は独特の割目模様をなし、思わず目を惹かれる。全く飽きない興味津々の道だ。もっとも、ほどなく達する最高点は、特に何の変哲もない、樹林の中の狭い場所。
 なお、小さい山ゆえ、所要時間は登山口から最高点まで往復しても、せいぜい1時間もあれば十分。

 ← 不動明王石像(金井山中の「不動心」にて)

【緯度】363500 【経度】1381225
(鳥打峠のすぐ北西にある480m等高線の峰が、本項で紹介する金井山です。)