破風岳(はふだけ)・土鍋山(どなべやま)・毛無山(けなしやま/万座)
 〜「ミレニアム登山」で賑わい〜標高1,999m(破風岳)・2,000m(土鍋山)・1,930m(毛無山)〜
 三山とも旧御飯火山の外輪山の一部をなす上信国境付近の山。
 破風岳は、その名の由来である急崖の有様が、かつての激しい爆裂の名残をとどめているが、反面、西の信州側は緩やかで女性的な表情を見せ、ツツジで有名な乳山(にゅうさん)牧場を擁し、通称「破風高原」として親しまれている。
 また、土鍋山はその名からして「御飯」との関わりを連想してしまうが、実際それが名の由来かも。東側山麓には、鉱毒水で有名な旧小串鉱山跡がある。なお、明るく開放的で、急崖の高度感満点の破風岳の頂上とは対照的に、土鍋山の頂上部は平坦なクマザサの原で、疎林中のため展望は今一つ。
 登山ルートは、毛無峠又は乳山牧場から、まず破風岳に登り、次いで稜線伝いに土鍋山を往復するが、コースタイムは道の整備状況により変わる。破風岳までは問題ないが、筆者の登頂時には、破風岳〜土鍋山間の道はクマザサの繁茂により不明瞭で、毛無峠から土鍋山頂上まで2時間余を要した。ただ、土鍋山の標高が2,000mであることから、いわゆる「ミレニアム登山」で賑わった時期には登山道もよく整備されたそうだが、その後の状況は不明のため、事前に地元に確認するのが確実だろう。
 なお、毛無峠に戻って、まだ時間に余裕があったら、折角だから向かいの毛無山にも登ってみよう(注:同じ北信エリアで野沢温泉村にも同名の山があり紛らわしいので、見出しには混同を避ける意味で山名の後に所在地名を付して紹介している。
なお、当初は他との区別の便宜上、山名の前に所在地名を冠し「万座毛無山」として紹介していたが、本来の山名でない呼称が流布するのは好ましくないと思われたため、上記のような紹介方法に改めた。)こちらは破風岳の角ばった山容とは対照的な、もっこりとした可愛い山。峠から頂上まで20分とはかからないが、頂上からの展望はきわめて良く、先刻登った破風岳から土鍋山への山稜や、さらにその背後に白煙たなびく浅間山などが見渡せる。

 ← 破風岳(毛無山より)

【緯度】363638 【経度】1382629
(緯度・経度は破風岳に合わせてあります。土鍋山はその南、毛無山は東に位置しています。)