臥龍山(がりゅうざん/須田城址)
 〜小峰ながら見所多い須坂市民の山〜標高472m〜
 須坂市街地の真っ只中に、実際に龍が臥しているかのような体でこんもり盛り上がっている小峰。一部を除き、比較的なだらかで散策向きの山容、桜の名所として知られる西麓の「竜ケ池」周辺など、須坂市民の憩いの場として最高の条件を備えており、いわば須坂市民の山とでも言うべき存在の山。南北2峰を有し、北が三角点のある頂上、南は戦国時代の山城(須田城)址。須坂藩主堀家の霊廟、臥龍山百番観世音、東に派生する尾根上の「根上がりの松」、歌人山口青邨の句碑、臥龍山古墳など、山中には見所が多く、歴史・文学探訪にも一級の地。
 ちなみに、筆者は中学生時分、たまたま親父が仕事の都合上、この山に近い百々川べりの宿舎に滞在していたことから、しばしば百々川の堤防を歩いては、この山に通った経験があり、個人的には非常に愛着ある山だ。特に南峰の南斜面は、小規模ながらちょっとした岩場をなしており、そこで親には内緒でロッククライミングまがいの危険な真似を繰り返していたものであるが… 今にして思えば、よくぞ落ちなかったものだ。
 他にも当時の思い出は尽きないが、それは別稿に譲るとして… この山に登るには、南東麓の駐車場に車を置き、興国寺の境内を通って竜ケ池に抜ける道を行き、トンネルのあるへんから稜線上に出て散策するのがよい。南・北両峰に挨拶したら、竜ケ池畔に下って憩いの刻を過ごし、後は先刻のトンネル経由か、南麓の動物園経由で駐車場に戻ればよい。頂上を往復するだけなら、所要時間は1時間も要しないが、それだけでは味気ない。是非、山中の数々の見所などをじっくり見ながら、最低半日位は思索の刻を過ごしてみたいもの。家族連れでの訪問にも好適。

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【緯度】363842 【経度】1381854