御神楽岳(みかぐらだけ)・本名御神楽(ほんなみかぐら)
 〜「霧来沢」の幻想的な情景が印象的〜標高1,387m(御神楽岳)・1,266m(本名御神楽)〜
 この山で筆者が何といっても思い出すのは、登山口からしばしたどる「霧来沢」(きりきたさわ)という名の沢筋の情景だ。歩を進めるにしたがい、その名の通り薄霧が漂い抜けて行く雰囲気は、実際、幻想の世界にでも身をおいたのではないかと思われるくらい、美しかった。
 そんな情景に出会えるなど、たまたま運が良かっただけかと思っていたら、後日、筆者の母校の山岳班OB会の新年会で、とある先輩が同様の感想を述べておられたのを聞き、大変嬉しかった。この山への登山道は他にもあるが、これから訪れてみようという向きがあれば、筆者としては、やはりこの霧来沢からのルートを推奨したい。
 その素晴らしい登山ルートを目指すアプローチとして、筆者は次の通りの経路をたどった。新潟県の小出町(現:魚沼市)から国道252号に乗り「六十里越」を越えていくあたりまでは、東北エリアの七ケ岳の項を参照。国道252号をさらに進み、福島県の金山町から登山口まで乗りつける。
 そこからは、例の霧来沢を1時間半ほどたどり、やがて沢筋から離れて急登。「熊打場」の岩場を乗り越え、本名御神楽の頂に立つと、間近に御神楽岳本峰が立派に迫る。本峰まで距離的にはさほどでないが、筆者が訪れた際には、本峰までの間の稜線上に前夜降り積もったらしい新雪が吹き溜まり、存外のアルバイトを強いられるハメに。結局、登山口から頂上までは約4時間半の時間を要した。やはり、越後の山は標高の割にキツい。

 ← 御神楽岳(「本名御神楽」より)

【緯度】373118 【経度】1392532
(緯度・経度は御神楽岳に合わせてあります。本名御神楽はその南に位置しています。)