尾神岳(おがみだけ)
〜標高の割に豊かな自然を保つ山域〜標高757m〜
今は上越市になった旧柿崎町と旧吉川町の境にある山。別掲の米山のやや南に位置し、標高の割に豊かな自然を保つ山域ながら、頂上近くには「尾神岳キャンプ場」や「スカイトピア遊ランド」などのアウトドア関連施設が設置され、車道もかなり上まで通じていることから、地元では比較的身近な山らしく、とりわけハンググライダーでは有名な山のようだ。実際、筆者の訪問時も、山稜をノンビリ歩く我が頭上には、色とりどりのハンググライダーの群れの飛翔が絶えることなく続いていた。
この山に登るには、筆者の場合は上越市から国道253号を東にたどってアプローチした。途中で左へ「桜坂峠」へと向かう山里の中の長閑な道に折れ、さらに峠の手前で前述の「尾神岳キャンプ場」や「スカイトピア遊ランド」方面に折れて、細い「林道尾神川谷線」を慎重に走り、やがて無線施設の建つ峰(689.5m三角点峰)との鞍部に出ると、そこが登り口で、脇に未舗装だが結構広い駐車場所もある。(注:林道はまだ先に通じており、立派な駐車場もあって、そちらからも登れるようだが、例のハンググライダー愛好家等で賑わっていて喧騒ゆえ、純然たる「山登り」なら鞍部から行くのがよいだろう。)
鞍部から頂上まではわずか1km少々、さして急登もなく、上部で小さいアップダウンを2〜3度繰り返す程度の道。普通に歩けば頂上まではせいぜい30〜40分も歩けば十分だろうが、途中には日本海岸などを豪快に見渡せる展望台があったり、また季節によってはネマガリダケのタケノコ採りなども楽しめるなど、なかなか面白い山域なので、あまりあわてず、ノンビリ歩きたいもの。頂上は山名標柱と三角点標石があるだけの比較的狭い場所で、周囲を樹林に囲まれ展望もないが、頂上手前の石祠がある一角からは、このあたりの第一の名峰である米山の立派な山容を望むことができる。また、その付近の林床には、6月初め頃ならチゴユリの白く愛らしい花々がちょっとした群落をなしていて、なかなかの見物であろう。
← 尾神岳を望む(林道尾神川谷線より)