火打山(ひうちやま)
 〜優しい山容の頚城山塊最高峰〜標高2,462m〜
 頚城山塊の要的位置に鎮座し、かつ同山塊中の最高峰。男性的でごつごつした東隣の妙高山や、活火山で猛々しい西隣の焼山に比して、優しい、慈母的イメージを有する山。しかし、そんな優しさとは裏腹に、いざ登ってみると、行くみちみち眼前に展開する情景は雄大そのもの。ことに「天狗ノ庭」の湿原に優美な山容を映すこの山の姿は感激ものだ。
 そんな素晴らしい山を、筆者は早朝長野の自宅を車で発ち、「笹ケ峰」の登山口から「富士見平」「高谷池」「天狗ノ庭」経由約4時間で登頂した。頂上は非常に明るく開け、間近の焼山など、展望はすばらしく、しばし嘆息。と、何やらゴウゴウという音が聞こえてくるので、最初風の音かと思ったが、よくよく注意して聞いていると、どうも焼山の噴気の音らしいと気づいて驚いた。結構離れているのに… 火山の包含する、底知れないエネルギーの一端を垣間見たようで、思わず身のひきしまるのを覚えた。
 登山口の笹ケ峰までのアプローチは、長野市からだと至極単純で、国道18号を上越方向に北上し、妙高高原あたりから笹ケ峰への道に入ればよい。なお、この山が長野から日帰りできる以上、隣の妙高山も当然日帰りできるはずであるが、筆者はまだ実行する機会を得ていないので、今回は記事掲載を割愛する(笹ケ峰にテント泊し、翌日往復という事例なら経験あるが…)。

 ← 火打山を望む(「天狗ノ庭」より)

【緯度】365521 【経度】1380405