平ケ岳(ひらがたけ)・池ノ岳(いけのたけ)・台倉山(だいぐらやま)・
 下台倉山(しもだいくらやま)
 〜池ノ岳から平ケ岳頂上にかけての湿原の美しさは絶品〜
 標高2,141m(平ケ岳)・2,080m(池ノ岳)・1,695m(台倉山)・1,610m(下台倉山)〜

 平ケ岳は私がこれまで行ってきた日帰り登山の中でも、そのハードさでは筆頭といえる山。何しろ、鷹ノ巣登山口から頂上までの所要時間が休憩込みで約6時間半(!)、下りにも5時間を要したほどのロングコース。前衛の「下台倉山」「台倉山」に上がるだけでも結構なアルバイトを強いられるのに、道はそれから比較的平坦とはいえ、場所によっては進み難い泥濘の中を突っ切ったりしながら延々と西に続く。それを長野の自宅から、その日のうちに往復し、翌日にはもう仕事に出ていたのだから… まだほんの十数年前の話とはいえ、当時の私は元気があったものだ。
 まあ、そんな山なので、一応ここにあげてはあるが、安易に日帰りなど企てない方が無難だろうが、しかし反面、私でもできたことは厳然たる事実なので… その気になれば簡単にやってのけるだけの人はゴマンといるはずだ。要は、自身の心身の充実度合に応じて、ということ。
 いずれにせよ、本命の平ケ岳まで達するためには、必然的にまず前衛の下台倉山と台倉山を乗り越えなければならないが、下台倉山付近では尾瀬の燧ケ岳の眺めが圧巻だし、台倉山付近では西に憧れの平ケ岳の女性的な山容が彼方に美しく望まれるので、体調如何によってはここで引き返したとしても、十分興味深い山行とはなるだろう。平ケ岳の方は深田「日本百名山」にも選定されているだけあって、その手前の池ノ岳から平ケ岳頂上にかけての湿原の美しさには筆舌に尽くし難いものがあり、また有名な「卵石」の奇観もある。本当なら、1泊2日くらいで、じっくり訪れてみたいもの。
 筆者のアプローチを参考までに次に記す。長野市から国道18号を中野市に向かい、国道117号に入り、飯山市経由新潟県十日町市へ。そこから国道253号で六日町(現:南魚沼市)に抜け、国道17号を北上し小出町(現:魚沼市)、さらに「奥只見シルバーライン」、国道352号経由で鷹ノ巣の登山口まで。登山所要時間は前述の通り。なお、このアプローチは近辺の他の多くの山々へのそれと共通する部分が多く、それゆえ私は一時期、このルートを盛んに応用しては、数多の山々をゲットすることができた。

 ← 平ケ岳(池ノ岳の「姫ノ池」畔より)

【緯度】370007 【経度】1391014
(緯度・経度は平ケ岳に合わせてあります。池ノ岳はその北東、台倉山等はさらにその東に位置しています。)