粟ケ岳(あわがたけ)
〜標高の割に登り甲斐ある好展望の峰〜標高1,293m〜
越後の山は、標高的にはさほどでなくても、往々にして登山口の標高が低く、登頂に相当程度のアルバイトを要したり、また豪雪地帯ゆえに、頂上部は標高の割に比較的明るくひらけているなど、実際に登ってみての印象は第一線級の山というイメージであることが多い。粟ケ岳の場合もその例にもれず。しかも、別掲の二王子岳の場合もそうだったが、山中にみられる遭難碑の類は、この地方の山が一度豪雪という牙をむけば、標高の如何にかかわらず、恐るべき地獄と化するということを、如実に示している。
筆者としては、この地方の山に訪れる場合、時期的には秋が最も好きなのだが、ただ秋は冬と隣り合わせの季節でもあるので、雪の恐れのありそうな時には、この地方の山行は見合わせることにしている。
さて、この山の登山口へのアプローチは、通常なら北陸自動車道を新潟方面へ向かう点は別掲の二王子岳の場合と同様で、新潟市までは進まず、三条燕ICで高速を下りて、加茂市の登山口に向かうのが無難だろう(ただし筆者は高速料金をケチって早発ちし、登山口までずっと下道で通した)。「第二貯水池」まで車で入ると、その対岸から登山道があがっている。そこから「雲ケ岳ヒュッテ」経由頂上まで約4時間。頂上部は北峰、中峰、本峰の3峰に分かれるが、本峰が最高点。一見マイナーそうな山ながら、意外と登山者は多く、これまた別掲の二王子岳と同様、この地方では人気の高い山であることが知れる。
← 粟ケ岳(加茂市側からの登山道より)