浅草岳(あさくさだけ)
 〜頂上付近の明るい草付きが山名の由来〜標高1,586m〜
 まるで東京のどこかの地名みたいな山名ゆえに、筆者は当初あまり関心を惹かれなかった山。むろん、現実に訪れてみて、そんな印象は微塵に吹っ飛んだが… 頂上付近は豪雪地の山の特徴で樹木が成長せず、明るい草付きになっており、どうもそれが山名の由来らしい。
 そんな、一見地味なこの山が、とある年の残雪期に発生した二重遭難事故で、はからずも一躍世間の注目を浴びることになった。遭難救助隊を不意にブロック雪崩が襲い、何名かの犠牲者を出した痛ましい事故を、まだご記憶の方も多いのではないだろうか? 筆者がこの山を訪れたのは、たまたまその遭難事故より数年前のことだったが… この山に限らず、越後の山は、こと雪に関しては非常に危険で、鋭利な牙を隠し持つ。それゆえ筆者はたとえ日帰りといえど、降雪の可能性がある時期は、この方面への訪問は控えることにしている。
 したがって、この山への訪問の適期は、標高1,500m程度では夏場はキツかろうし、やはり秋ということになろうか。筆者も秋に訪問した。
 登山口までのアプローチは、国道252号を進むところまでは別掲の守門岳と共通。そのまま国道252号を進み、大白川から「国民宿舎浅草山荘」への道に入り、国民宿舎を過ぎて、さらに奥に入ると登山口に達する。もっともこちら側から登山道は2本あり、手前の「ネズモチ平コース」と、林道終点に近い「嘉平与ボッチ」経由の尾根コースとを選択できるが、筆者は前者から登り、後者を下って、林道歩きで駐車場所に戻る周回コースをとった。ただ、前者は途中で尾根コースと合流するまで結構急で単調な道だったので、これから訪れる方には尾根コースからの往復がよいかも知れない。ネズモチ平登山口から頂上まで2時間強。頂上からは越後三山や尾瀬の燧ケ岳、飯豊連峰などの大展望がひらける。

 ← 浅草岳(「前岳」付近より)

【緯度】372037 【経度】1391400