高津屋(たかつや/高津屋城址)
 〜頂上は何と相撲の土俵!〜標高776m〜
 国道19号線を「山清路」から少し南下し、生坂村下生坂区に入るすぐ手前で、犀川に架かった「大日向橋」を渡って左岸側に移ると「高津屋森林公園」なる案内標識がある。それに導かれるままに車を走らせると、やがて立派な休憩舎と駐車場が整備されている場所に出て、その脇から良く整備された散策道が上に向かって延びている。そこで駐車場に車を駐め、散策路をほんの 5〜10分程度も登ると、じきに聖山や長野市の飯縄山などが望める明るく開けた山稜上に出て、すぐ先に休憩用の東屋らしきものが見える。そして実は、この東屋らしきものこそ、この山を他の山とは一線を画する特異な存在に性格付けているものなのだ。というのは… 行ってみると判る。それは休憩用の東屋どころか、何と相撲の土俵なのだ!
 なぜ土俵なのか… その理由は現地にある丁寧な説明看板に目を通せばすぐ納得できる。すなわち、ここでは明治40年代まで秋葉様の社(高津屋神社)があり、祭礼時には相撲が盛んに行われていたのだそうだ。ちなみに現在の土俵は新しく造られたもので、そのやや下の周囲に木柵が巡らされている円形の土盛が昔の土俵跡であるとのこと。そして頂上の最高点は、ちょうど先の新しく造られた土俵のあたり(!)というのが、何とも変わっており、このことが、先にこの山が他の山とは一線を画する特異な存在だと記した所以である。
 さらにまた、ここは戦国時代の山城の址(高津屋城址)でもあるといい(注:もっとも、特に目立った遺構は目に付かず、現地の説明看板によれば、主に物見台として利用されていたとのこと)、このような豊かで素朴な歴史性とも相俟って、「山」としては、駐車場から徒歩ほんの15〜20分程度もあれば頂上に達する優しい山ながら、家族連れでの森林浴などにはきわめて好適な地といえよう。

 ← 高津屋神社の土俵跡(奥の東屋のような建物は新しい土俵/高津屋頂上付近にて)

【緯度】362646 【経度】1375542
(昭津区の上の713.4m三角点のすぐ南西のピークが、本項で紹介する高津屋城址です。)