四阿屋山(あずまやさん/四賀)
 〜5月の祭礼時には地元の人で賑わうという〜標高980m〜
 旧四賀村(現:松本市)にある素朴な里山。地形図上では矢久集落の西に「四阿屋神社」の標示のあるだけだが、現地で地元の人に聞くと、神社の名と同じく「四阿屋山」であるとのこと。となると、同じ中信エリアに全く同名の山があり紛らわしいため、見出しには混同を避ける意味で山名の後に所在地域名を付して紹介している。(注:当初は他との区別の便宜上、山名の前に所在地域名を冠し「四賀四阿屋山」として紹介していたが、本来の山名でない呼称が流布するのは好ましくないと思われたため、上記のような紹介方法に改めた。) なお、東信エリアの菅平高原の上の「四阿山」とも紛らわしいが、こちらは「四阿」の後に「屋」と付くので区別できる。
 この山に登るには、旧四賀村の召田集落あたりで国道143号線から分れ、矢久川沿いの道を矢久集落方面へと進み、矢久川を橋で渡るすぐ手前から右に上がる細い林道に入る。この道は四阿屋山の東山腹を巻くように高度を上げてゆき、そのうち頂上の南東寄りの稜線の縁あたりで右に山林作業道が分れている地点に出る。そこが登り口。作業道入口のスペースに駐車し、以後は徒歩で、その作業道をしばらくたどる。作業道は稜線を向かって右手に巻くように延びているが、左の斜面に注意しながら歩いていくと、そのうち稜線上に上がる踏跡があるので、そこで作業道と分れて稜線上に這い上がれば、最早頂上は目と鼻の先。登り口から頂上までの所要時間は、片道ほんの15〜20分程度という手軽さ。
 頂上には素朴な「四阿屋神社」の祠がある。地形図上に標示されている割には小さい祠のようでもあるが、地元の人の話によれば、毎年5月には祭礼があって結構大勢登るのだそうだ。もっとも周囲の雰囲気的に、賑わうのはどうもその祭礼時だけらしく、筆者が訪れた11月初めには、頂上付近には薄などが生い茂り、四阿屋神社の祠も薄の穂の中に隠れるように、ひっそりとたたずんでいた。

 ← 旧四賀村の四阿屋山を望む(山麓の藤池集落付近より)

【緯度】362024 【経度】1380108