六人坊(ろくにんぼう)・三才山(みさやま)
 〜「三才山トンネル」上の変わった名の山々〜標高1,618m(六人坊)・1,605m(三才山)〜
 別掲の戸谷峰の東にある、変わった名の山々。これらの名の由来については、筆者は現時点で寡聞にして知らないが、登り口の三才山峠は古代から東山道の脇道が通じていたという歴史の古い峠ゆえ、必ず地元の伝説か民話と結びついているものと思われる。
 これらの山々に登るには、小県と東筑摩の境の「保福寺峠」から、ややダートな「蝶ケ原林道」を車で南にたどり「三才山峠」まで行くのがよい。この峠、以前は標識もなく、それと気付かないままに通り過ぎていたものだが、今は立派な標柱や説明看板まで設置されているので、見落とすことはなかろう。一応駐車可能なスペースもあるので、そこに駐車し、後は徒歩で林道の法面の縁を伝うように上に延びる踏跡をたどる。比較的急な登りをしばしで、まず最初のピークに到達。特に山名を示す標識もないが、ここが「三才山」頂上。地形図上で見ると「三才山トンネル」はちょうどこのピークの直下あたりを通過しているようだ。そこからさらに平坦な山稜を西にたどると、ほどなく三角点のある「六人坊」に達する。そこは東西に長い頂上で、最高点は三角点よりわずか西のあたりのようだが、雰囲気的には三角点周辺が最も頂上らしい。頂上付近の樹間からは西に別掲の戸谷峰と、その背後に北アルプス、また東には浅間山方面などが見渡せる。以上両峰に登っても、登り口の三才山峠からの所要時間は往復1時間前後で足りるので、別掲の烏帽子岩共々、時間がなかったり天候に不安がある場合などにおける特急登山用の山として重宝することだろう。なお、筆者はまだ試みたことがないが、別掲の戸谷峰にも稜線伝いに行けるようだ。

 ← 六人坊(左のピーク)と三才山を望む(蝶ケ原林道より)

【緯度】361706 【経度】1380353