南鷹狩山(みなみたかがりやま)
 〜鷹狩山のすぐ南にある意外な寂峰〜標高1,147m〜
 その名の通り、別掲の鷹狩山のすぐ南1kmほどに位置する山。山麓から望むと、鷹狩山に優るとも劣らない気になる山容を見せ、また標高も鷹狩山より高いのに、その割に話題に上ることが少なく、筆者は以前から不思議に思っていたが、実際に訪れてみて、その理由を理解した。この山、頂上に至る登山道としては、特にはっきりしたものがない上に、頂上は三角点標石が埋設されている以外、山名標識すらなく、周囲も樹林で展望もないのだ。隣の鷹狩山が展望台まで設置され、晴天下の北アルプスの大展望を売りにしているのに比べ、あまりに対照的なその雰囲気! それゆえ筆者は、隣の鷹狩山があまりに観光地化しているので、その周辺の霊松寺山(別掲)とか南鷹狩山の方は意図的に開発せず、自然を残しているのではないかとさえ想像してしまう。無論、そうした状況は、筆者のごとき静寂な山好みの者には願ったり適ったりなのではあるが…
 で… この山に登る方法だが、まずは鷹狩山との間の鞍部に車で乗りつける。そのあたりを見回せば、草薮の中に小道が南鷹狩山側に延びているので、それに踏み込む。この道、最初こそ細いが、進むにしたがって林道みたいに広くなり驚かされる。かつては林内作業車両でも通行していたものか。しばらくはその道を忠実にたどるが、やがて道が下り始めたら、そのあたりがちょうど南鷹狩山頂上の東側直下なので、そこで道から外れ、後は右手の斜面を高い方へと登りつめる。特に明瞭な踏み跡はないが、林床の下草は低く、ほとんど薮漕ぎの必要なく登頂できる。以上、登り口から頂上までの所要時間は存外短く、ほんの30分程度もあれば十分。

 ← 南鷹狩山を望む(大町市街より)

【緯度】362956 【経度】1375315