二ツ石峰(ふたついしみね)
 〜熊も出る自然環境豊かなエリア〜標高1,563m〜
 小県と東筑摩の境の「保福寺峠」のやや北に位置する峰。保福寺峠は、かのW・ウェストンが日本アルプスを絶賛した地として有名であるとともに、往古の昔には旧東山道が通じていたという歴史性豊かな地であるのだが、そのすぐ近くの山の方は、案外注目される機会が少ない。「二ツ石」なんて、何やら意味あり気な山名で興味を惹きそうなものなのだが… 実は、かくいう筆者も、比較的地味な山域ゆえか、案外これまで見逃してきてしまい… つい最近、ようやく初訪問を果たした次第。実際に登ってみても、ほとんど樹林の中を行く、きわめて静寂で、地味な、落ち着いた雰囲気の山域。しかも、下山後に峠付近で熊を目撃するに至っては…(!)、自然環境もまた豊かに保全されているエリアということなのだろう。
 筆者はこの山に登るのに、家族同伴だったためもあり、単純に保福寺峠から往復する手段を選択した。峠から頂上まではほんの1時間程度で達することができる。頂上近くの最後の登りの途中からは、東信エリアに紹介した独鈷山や大明神岳、また活火山浅間山などの展望良好なスポットがあるが、中でも普段目につきにくい、大明神岳の端正な円錐形の山容が興味深い。
 なお、つい最近、小県郡青木村の十観山から、いわゆる滝山連峰を経て、この山に至る縦走路が開設されたとのこと。やや長丁場になりそうだが、一度歩いてみたい道である。

 ← 二ツ石峰を望む(「保福寺峠」に近い蝶ケ原林道より)

【緯度】361858 【経度】1380413