大洞山(おおぼらやま/北安曇)
 〜雄峰の割に意外な静けさを保つ山域〜標高1,093m〜
 北安曇の松川村と大町市との境にある山。別掲の城山(西山城址)のさらに西奥に結構立派な山容を見せている相応の雄峰だが、その割に特にはっきりした登山道もなく、かつ三角点もない地味な山。また「大洞山」という名の山は他にもあり、同じ中信地域でも筑北村と松本市との境に同じ字の山があり紛らわしいため、見出しには混同を避ける意味で山名の後に所在地域名を付して紹介している。(注:当初は他との区別の便宜上、山名の前に所在地名を冠し「安曇大洞山」として紹介していたが、本来の山名でない呼称が流布するのは好ましくないと思われたため、上記のような紹介方法に改めた。)
 この山に登るには、東の城山(西山城址)から稜線伝いに登ることもできそうだが、その間は特に道も整備されていないようだし、またアップダウンもあることから、今ひとつ確信が持てないので、筆者の場合は地形図で検討の上、同山の西に通じている峠越えの車道の最高点よりやや松川側に下った所の「待避所C」とあるスペース付近を取付点に定めて登ってみた。林間をしゃにむに急登し、とにかく高い方へと登りつめると、やがて西山城址からの稜線上に飛び出て、後は左にわずかで頂上。これだと所要1時間程度で登頂可能だが、そこは前述の通り、元々三角点峰でない上に、周囲は樹林に囲まれ展望もなく、また筆者の訪問時点では頂上を示す標識もなく、立派な山容の山にしてはあまりに地味な頂上で驚かされる。もっとも周辺の雰囲気からして、里山の多くがそうであるように、この山もまた茸山らしいことが静寂さを保っている一因かも知れないので、この山に訪れる場合、無用の紛争を避けるためにも、訪問時季には重々気をつけた方がよいと思われる(ことに秋季の訪問は絶対に避けること)。

 ← 北安曇の大洞山を望む(右手前は西山城址の城山/東山麓の松川村より)

【緯度】362634 【経度】1374906