山行記録帳(2022)A
〜Yamazaki's Photo Diary 2022,A〜


 【山行・自然観察リスト】
 脚力回復訓練第5弾〜長野市若穂の太郎山  気軽な散歩的山歩き〜木曽の鳥居峠と峠山
 雨天前に軽く「山」気分〜長野市七二会の陣馬平山  帰途に寄り道〜源頼朝ゆかりの頼朝山
 またも雨天前の「山」気分〜髻山(髻山城址)  折角だからもう1山〜旧三水村の戸谷峰
 脚力回復訓練第6弾〜青木村の十観山  休憩時間の時間調整に〜芥子坊主山
 好展望も曇り加減〜小諸市の飯綱山(富士見城址)  脚力回復訓練第7弾 Part.1〜葛尾山(葛尾城址)
 脚力回復訓練第7弾 Part.2〜保基谷岳  その名の通り展望良好〜内山牧場近くの物見山
 物見山では得られぬ眺めあり〜物見岩  前日とは打って変わって曇天〜長峰山
 所用の帰りに〜佐久市臼田の稲荷山(稲荷山城址)


 脚力回復訓練第5弾〜長野市若穂の太郎山
 11/3、国民の祝日「文化の日」。この日は昔から好天の日が多いというが、今年もその例にもれず。となると、折角だから、またどこかの山で軽く「脚力回復訓練」をしてみたいが、翌日が平日ゆえ、あまり大変でない山で… というわけで、当初、菅平近くの「保基谷岳」を念頭に、昼過ぎに自宅発。
 ところが… いざ若穂保科から菅平に通じる道に車を走らせると、途中で何と「全面通行止め」の看板が(!)。やむなく同山への訪問は断念、他に適当な山は… と、しばし考慮のうち、長野市若穂の「太郎山」を思いつく。ここなら、保科温泉辺りから林道をたどれば、「馬背(まぐせ)峠」の登り口まで近く、時間的には適当そうだし、おまけに頂上は展望抜群ときている。ただ、この山、以前訪れた際の記憶によれば、途中一部に露岩もある急登があったはずで、それが現在の私には若干懸念材料ではあったが… しかし「山」を目指す以上、いずれはそのような道も通らねばならないだろうし、自身の脚力の回復度合を測る良い機会、危ないと思ったら引き返せばいいだけだ、と割り切り、早速、登り口の峠へ。
 「馬背峠」は薄暗い樹林の中、おまけに案内看板の下には「クマ出没注意!」と物騒な表示(!)、然るに今回の私は単独ゆえ、さすがに多少背筋に寒気を覚えたが… 我が愛用の熊鈴(長野市内の「吉沢金物店」で入手した、音が非常に美しく響き渡る逸品、使用時にカモシカ以外の野生動物との遭遇経験皆無)の効力を信じ、意を決して山中へ。しばし比較的平坦な道を進み、軽く上下して、また登りにかかると、道は次第に傾斜を増し、じきに問題の露岩もある急登へ。と、そこには安全のためロープが設置されており(それだけで安心感絶大!)、案外、難なく通過できた。地元愛護会の方々の心配りに感謝しつつ、急登を乗り越え、秋色濃い最後の緩傾斜の道を数百メートル進むと頂上着。私にとっては平成19年(2007年)の12月初旬に訪れて以来、本当に久しぶりの頂上だ。汗を拭いつつ周囲を見回すと、見える見える、戸隠連峰、飯縄山、黒姫山、妙高山、斑尾山といった北信五岳の峰々を中心に、北に高社山から志賀高原の峰々、また南には間近に奇妙山、さらにその右手遠方には北アルプス槍・穂高連峰… 正に「文化の日」に相応しい、名峰の饗宴!
 もっとも、その時点で時刻は既に15時半近く、つるべ落としの秋の陽の下では長居もできず、ほんの10分ほどの短い憩いの後、帰途につかざるを得なかったが、例のロープの急傾斜は大事をとって後ろ向きに下り難なく通過、熊にも遭遇せず、16時半頃には無事に駐車場所の峠まで戻った。
 かくて、まがりなりにも急登のある山を安全に往復できたことで、脚力回復は順調そうだという心証が得られたものの… 我が家に戻って入浴後に一杯やったら、にわかにどっと疲れが出て、立ち上がるのも億劫になってしまった。歩いている間は緊張していて気付かなかったが、改めて自身の脚に手を触れたら、何とぱんぱんに張っているという有様… やはり今の私には、比較的軽い里山の急登でも、ややハードであったようだ。







 気軽な散歩的山歩き〜木曽の鳥居峠と峠山
 11/6、この日は、とある所用で木曽福島まで訪れたが、その帰り、折角こちらに来たのだからと、旧中山道の難所・鳥居峠の歴史巡りと、峠近くにある「峠山」に立ち寄っていくことにした。
 あくまで「所用のついで」である以上、今回は車の威力に可能な限り頼る訪問だが… 今週は、既に11/3に長野市若穂の太郎山に行ったのと、前日の11/5は自宅近くの河原で半日以上も自然(岩石)観察をして、いささか疲れたので、ここはあえて、最近の私にとってノルマ化しつつある「脚力回復訓練」的な堅苦しい「山」でなくとも、気軽な散歩的山歩きでもいいだろう… というわけ。
 そこで… 旧中山道の薮原宿近くから、昔の国道だったという未舗装の車道をたどり、峠付近の分岐点に駐車して、まずは江戸時代の峠の雰囲気を今に残す「丸山公園」へ。途中、皮を煎じて飲めば子宝に恵まれるとの言い伝えがあるという「子産みの栃」なる栃の巨木や、また中山道筋では数少ない晴天時に御嶽山が前衛の山の向こうに僅かに望める貴重なスポット「御嶽遥拝所」を経過し、やや下ると「丸山公園」。ここには「雲雀より上にやすらふ峠かな」とか「木曽の栃浮世の人の土産かな」といった句が刻まれた有名な碑が建つ。両者ともこの地に似つかわしい俳句だが、実際に木曽で詠まれたのは後者の方らしい。ともあれ、今でこそ風流な雰囲気の「公園」であるが、実はこの地、かつて戦国の世において、木曽義昌が武田勝頼の軍勢を迎え撃ち押し返したことで知られる古戦場でもあるとのこと。まあ、この狭い木曽谷の一つの要衝ゆえ、ここが戦いの舞台となったことは、ある意味自然であり、またこの種の土地の宿命でもあろう。
 しばしの憩いの後、駐車場所まで引き返すと、次いで「峠山」へ。この山、頂上に無線中継施設がいくつも建っているので、実のところ、ほとんど頂上まで車で行けるのだが、道はさすがにこれまでより細くダートなのがネック。それでも、慎重に車を走らせて車道終点に駐車、最高点とおぼしき場所に立つ無線中継施設まで上がってみると、施設脇の薮の中にひっそりと三角点標石が埋設されていた。なお、展望は樹木に遮られて今一つだったが、それでも下る際に注意深く樹間を見ていくと、どうにか木曽御嶽山と乗鞍岳の姿を望むことができるポイントは見出せた。
 というわけで、今日はここまで。先に駐車した分岐点まで戻り、後は観光客で賑わう奈良井宿の北のはずれ辺りに下った。







 雨天前に軽く「山」気分〜長野市七二会の陣馬平山
 11月の第二週は、私には巡り合わせが悪く… 土曜日(12日)は好天だったが所用で残念ながら山に行けず、翌日曜日(13日)は無情にも曇り後雨の予報。となると、せめて雨が降り出す前に、どこか手軽な所で「山」の気分だけでも… というわけで、まず頭に浮かんだのが、身近にある七二会の陣馬平山。この山、頂上付近は鬱蒼とした人工林に覆われており、夏場に訪れると昼なお暗いといった感じの山だが、今の季節なら、紅葉末期で落葉していて、多少は雰囲気も明るかろう… と期待して、早朝、自宅を車で発。
 国道19号を西へ進み、「笹平トンネル」にかかる手前の交差点から北へ折れ、一気に「地蔵峠」まで上がり、そこからは落葉降り敷く未舗装の林道をたどる。無線施設を道路脇に幾つか見送り、林道終点から標識に従い左へ折れると、もうそこが一等三角点の頂上。現地案内板によれば、この三角点の標石、全国的にも珍しい「矢羽根の付いた+」が刻まれているものだそうで、見ると、摩耗のせいか、はたまた曇天で陰影が薄いのか、やや不明瞭ではあるが、確かに矢羽根の形状が見て取れて興味深い。もっともこれ以外には、頂上では他に格別見るべきものもないので、例の矢羽根の標石をデジカメで数枚撮影すると、はや元来た道を戻り始めた。
 事前の期待通り、頂上付近は程よく秋枯れて、夏場よりは余程明るい雰囲気。しかも、落葉が進んでいたお陰で、帰り道では樹間に、往路では気がつかなかった北アルプス五龍岳や白馬三山方面の新雪をまとった神々しい姿が! 間もなく雨と言う割には、結構良好な眺めじゃないか、これは来てよかったと感激しながら、難なく駐車場所へ戻った。







 帰途に寄り道〜源頼朝ゆかりの頼朝山
 先の陣馬平山への訪問後、私は「地蔵峠」から、今度は国道19号線側ではなく、北の戸隠側へと下り、裾花側沿いの国道406号線を東に走って長野市街地近くまで戻った。しかし、その時点で天候はまだ保っており、このまま自宅に戻ってしまうのはもったいない、どこかもう1箇所、手っ取り早く寄り道していけそうな山はないか… と、にわかに考えるうち、茂菅の上の「頼朝山」を思いつく。ここなら、西麓の「静松寺」あたりからなら、さほど時間も要さず行けるし、長野市街地の展望も良好だから、「寄り道」にしては上等だろう… と思うやいなや、早速、その方向へ車を走らせた。
 「静松寺」のやや手前で左へ、「いつくしみ観音」への道に入り、細い道をしばし進んだあたりのゲート手前に、地元の人の邪魔にならないよう駐車、そこからゲート脇を抜けてわずか歩くと、すぐに「葛山」(左)と「頼朝山」(右)との道の交差地点へ。今回は天候が心配なので「葛山」には行かず、右の「頼朝山」へ。さほど急な箇所もない、樹林の中の道をたどると、ほどなく立派な石祠のある頂上着。
 ほっと一息ついて、樹間から南東〜南側を見渡すと… 見える、見える。善光寺平の雄大な眺め! しかもそれが、頂上からほんのわずか南側へ下ったあたりからは、樹木の障害もなく、実に良好に見渡せるのだ。長野市街地の俯瞰はもとより、その背景に連なる、左は根子岳あたりから、先日訪れた太郎山、保基谷岳、奇妙山、さらに姨捨山の月が上がるという鏡台山あたりまで…! また間近には、川中島合戦における一つの争点となった旭山城址など。いずれも、雨天前とはとても思えないほどのクリヤーな眺め。これまた先刻の陣馬平山と同様、来てよかったと感激至極。
 なお、この山、その名が示すとおり、源頼朝ゆかりの山なのだとか。現地案内板によれば、頼朝公が西麓の「静松寺」に産地田畑を寄進した際に、併せて寄進された「静松寺」の鎮護峯であるとのこと。そういえば、折しも今年のNHK大河ドラマは『鎌倉殿の十三人』(!)。私はその事実に気づき… これは思いがけずタイムリーな訪問になったものだと、我ながら意外な偶然に一寸した驚きを覚えた次第。







 またも雨天前の「山」気分〜髻山(髻山城址)
 11/19(土)・20(日)の両日は、私にとって、前週に引き続き、こと「山」に関しては巡り合わせが悪かった。というのも… 土曜日(19日)は好天だったが、またしても所用で残念ながら山に行けず、翌日曜日(20日)は雨の予報(!)。しかも今回は前週のように「曇り後雨」とかいうのでなく、天気予報で最初から「雨」と言っていたから、半ば諦めていたのだが…
 11/20、朝6時過ぎに起きて空模様を見ると、まだ降り始めておらず、あと数時間程度なら、何とかもちそうな様子。ならば… と、慌しく朝食を摂ると、すぐに車で自宅発。目指すは長野市若槻の東北に位置する「髻(もとどり)山」。ここなら「林道三登山山麓線」をたどり、林道最上部の登り口からなら頂上までわずか数百メートル、どうにか降雨前に登ってこれるだろう、というわけ。
 で… 可及的速やかにその登り口まで至り、例によって「熊が出没」云々の物騒な看板に胆を冷やし、盛大に鈴を鳴らしながら息を切らせて一気に髻山城本郭址の頂上まで駆け上った。風は結構強いものの、幸いまだ雨は落ちて来ない。呼吸を整え、東の虎口辺りの土塁上から志賀高原方面を見渡すと… 今日はどうも、前週ほどにはすっきりした眺めとはいかず、薄暗くどんよりした空の下、半ば雲に覆われかかった笠岳や竜王山、また中野の名峰・高社山、といった山々がかろうじて望まれた程度。ともあれ、まがりなりにも「山」の雰囲気には接して、私はまた慌しく元来た道を下った。







 折角だからもう1山〜旧三水村の戸谷峰
 先の髻山(髻山城址)への訪問後、私は当初、おとなしく家に戻るつもりだった。然るに山麓まで下ってみると、空は今にも泣きだしそうではあるものの、依然として持ちこたえている様子。となると… また例によって、折角だからどこかもう1箇所、という気になる。とはいえ、今回は前週ほどには空模様も寛容ではなさそうだから、本当に手っ取り早く訪問可能な場所、ということで、にわかに思案の上、旧三水村(現飯綱町)の「戸谷峰」を思いつく。ここなら、車道脇の登り口から頂上までほんの5分程度だったはず。されば… と、直ちにそこに向けて出発。
 髻山麓から車を走らせること10キロメートル程度、難なく同山の登り口付近まで至ると、そこで何と、北信五岳の峰々の予想外に良好な眺めに遭遇(!)。特に妙高山の眺めは結構な迫力だ。私はその場ですぐに下車、この「嬉しい誤算」が雲の彼方に消え失せないうちにと、手早くデジカメでその姿を各峰複数枚ずつ撮影していった。北信五岳のうち、戸隠連峰だけは残念ながら望めなかったが、それでも天候のことを思えば、これだけの眺めに出逢えただけでも儲けものというべきだろう。やはり、訪れれば訪れただけのことはあるのが「山」というもの。来てよかった。
 その後、厚い落葉に覆われた道を踏みしめ、石祠2基と三角点標石がある頂上に挨拶した上で車に戻り、座席に着くと… そこでついに堪え切れなくなったかのように、細かい水滴がフロントガラスを急速に叩き始めた。私は、やれやれ、ギリギリのところで服を濡らさずにすんだわい、と内心ほっとしながらワイパーを始動させると、帰宅の途についた。







 脚力回復訓練第6弾〜青木村の十観山
 11/22、この日は平日だが、久々に休暇を取得。翌23日「勤労感謝の日」とセットで心身をリフレッシュしようという魂胆だったが… 天気予報によれば何と23日は雨とのこと(!)。どうもこのところ、こんな巡り合わせが多い気がするが、それならそれで仕方がないから、今日に願いを託すしかない。すなわち、ここ2週間ほど、あまり「訓練」にならない山ばかりが続いていたので、今日は多少まとまった時間を歩いてみたい。
 もっとも、回復途上かつ最近の運動不足を考慮し、11/3の太郎山ほど急登のない山、ということで、思いついたのが青木村の十観山。ここなら、雰囲気静寂で私の好みに合っており、傾斜も適当で歩行距離もそれなりにあるし、何より晴れれば東方の上田平方面の眺めが良好ときている。かく心が決まれば善(?)は急げ、期待と共に自宅発。
 上田市から国道143号線を西へ、青木村に入り、「田沢温泉」への道に折れて、温泉手前を右へ。「昆虫資料館」への道を右に見送り、さらに林道をたどることしばしで登り口。そこから、例によって熊鈴を鳴らしながら樹林の中の道を行く。秋枯れの道ゆえ落葉は多いが、風に吹き払われたか、幸い滑るほどには積もっていない。傾斜は多少の緩急はあるものの、どちらかというとダラダラ登りで、いささか退屈。そのせいか、ついつい足が早まり、息が荒く汗も全身に吹き出てきた頃、行手に意外なほど立派なバイオトイレが出現。目指す頂上には、そのすぐ先の坂を一段越えると到着。平坦で広い場所だ。
 そこは前述の通り、晴れていれば東側の眺めが開けるのだが… 残念ながら、頂上到着の少し前から山稜には霧がまとわりつき、期待した展望は得られず。多少がっかりしながら、三角点標石に挨拶し、適当な切株に腰を下ろしてしばし待機すると… そのうち、田沢温泉辺りの山麓の俯瞰や、間近な夫神岳の山体程度は何とか望まれるようになったものの、結局それきり好転する気配は見られず、10数分程の憩いの後、やむなく下山開始。
 下りでは、かろうじて樹間に子檀嶺岳が望まれたものの、それとて霧の衣装をまとっている有様。登り口まで戻り、林道を下っていく頃になって、ようやく夫神岳や独鈷山が良好に望まれたが、今日の眺望はここまでが限界。それでも、久々に心地好い汗をかいた満足感と共に、私は家路についた。







 休憩時間の時間調整に〜芥子坊主山
 今回、ここに記すのは、実のところ「山」というよりは、所用の途中に時間調整で立ち寄った場所がたまたまそこだっただけなのだが… 皮肉にも最近の私の「山」の中では、11/6に木曽の「峠山」に訪れて以来、久々にすっきりした晴天下の一時となったこともあり、あえて一筆記しておく。
 この日、当初は長野自動車道の「梓川スマートIC」から、最近無料化された「松本トンネル」をくぐって松本市街地に向かう予定だったが、途中順調に進行したため、所用先への到着予定時刻までの間、前述の通り時間調整が必要になった。そこで昼の休憩も兼ねて、あえて「松本トンネル」をくぐらず山越えの道に入り、近くにある「松本市芥子坊主農村公園」の駐車場まで乗り付けて車を停め、少々付近を散策。天候は申し分のない晴天で、鉢伏山や鉢盛山、また北アルプスの常念岳、蝶ヶ岳、大滝山などの展望も良好だったので、折角だからと手持ちのスマホでそれらの情景を撮影しながら、車に戻った。この間ほんの10分程度ながら、思惑通り、程よい時間調整ができたのはもとより、ちょっとした「山」気分まで味わえた次第。







 好展望も曇り加減〜小諸市の飯綱山(富士見城址)
 このところ、週末の度に、土曜日は所用で日曜日に「山」という巡り合わせが続いているが、11/26は久々に土曜日に「山」が楽しめるかと思ったら… 朝、いざ自宅を出てみると、どうも空模様が曇り加減で芳しくないのだ。それでも、適当に車を走らせているうちには… と淡い期待を抱きながら、上田市あたりまで走って行ってみたが、相変わらず好転の兆がない。これでは、折角登っても、先日の十観山の時みたいに、頂上からは大した眺めも得られないだろうと思われ… 半ば諦めて寺院参拝などをしながら、小諸市辺りまで行ったところで、東の山々を仰ぐと、ちょうど浅間山あたりの雲が切れかけてきた。しめた、これは絶好のチャンス!、とて、すぐ近くにある「飯綱山」(富士見城址)に訪れてみることに。
 直ちに「小諸高原美術館」の奥の駐車場に乗り付け、そこから階段を上がり、富士見城本郭址の頂上付近まで歩いていく間には、狙い通り、新雪をまとった浅間山の姿が実にクリヤーに眺められるようになった。これで最低限の目的達成! また、雲がかからないうちにと、早速デジカメ撮影。
 もっとも、それ以外の山々の眺めは、相変わらず曇り加減で… それでも北アルプス蓮華岳や後立山連峰などの峰々、八ヶ岳、さらに遠く富士山の一部までも、かろうじて望まれたものの、それらのいずれもが雲の衣装を多かれ少なかれ身にまとっており、デジカメ撮影しても、あまりパッとした画像にならなかったのは残念だった。
 なお、頂上付近では意外にも、ヒメアカタテハが2頭ほど舞っているのに遭遇。ということは、今日は季節の割に温暖な一日だったようだ。これで、もう少し空模様が良ければ、もっと標高の高い山にでも行っていたものを…







 脚力回復訓練第7弾 Part.1〜葛尾山(葛尾城址)
 11/27、昨日の「山」が、いささか消化不良だったので、今日こそはまともな「脚力回復訓練」を… と意気込んで、朝、自宅を出てみたら、またしても曇り加減の空模様。この状況で高標高・長時間の山に挑戦して、降られるのも嫌なので、ここは多少短距離でも別の観点からの「訓練」を、というわけで、頭に浮かんだのが坂城町の葛尾山(葛尾城址)。かの甲斐の武田信玄を2度にわたって破った郷土の英雄・村上義清の居城跡として知られる山だ。
 別の観点というのは… これまでは回復過程で脚にあまり無理な負担をかけないよう、極力、急峻なアップダウンを伴う山は避けてきたのだが、最近では「訓練」の成果もあって、大分、以前の感覚が戻りつつあるので、そろそろ、多少険しいコースで自身の状態を測ってみようということ。この点、葛尾城址は堅城らしく、結構深い堀切の上り下りを伴う箇所があるので、そこを平気で通過できれば、まずは合格、逆に「怖い」と思えば、まだまだ不合格、と心に期しながら、五里ヶ峰との鞍部付近の登り口まで通じるダートな林道に車を走らせた。
 登り口の案内看板手前に駐車、そこから徒歩で城址への道をたどると、最初は穏やかな道も、じきに行手に何箇所もの堀切が立ちはだかった。特に主郭のすぐ北側の郭手前の堀切は、二段の木階段が設置されているほど高く、それを目にした瞬間は、流石に思わず少々たじろいでしまったが、いざ歩を進めてみると、何のことはなく通過できた。やれやれ、よかった、ここはどうやら「合格」のようだ…
 かくて達した主郭址からは、眼下に流れる千曲川の雄大な流れはもとより、冠着山、太郎山、虚空蔵山など間近な山々の眺めが良かったが、それ以上遠方の山々は、相変わらず厚く湧き上がり続ける雲に阻まれ、全く望むことができず残念だった。それでも、今回をもって私の「訓練」も、また新たな段階に進めそうだとの心証が得られて、それなりに充実した一時だった。







 脚力回復訓練第7弾 Part.2〜保基谷岳
 先の葛尾城址への訪問後、私は一旦、長野市内に戻ったが… 昼過ぎあたりから、空模様が多少好転しそうな気配。そこで、この機を逃すまいとて、改めて出発。次なる目標は、長野市若穂の「保基谷岳」。この山、去る11/3に、往路の車道が通行止めで「太郎山」に目標変更を余儀なくされた因縁の山だ。今回は同じ轍を踏まぬよう、通行止め箇所を迂回して須坂市から菅平経由で上がり、首尾よく登り口まで車を乗り付けられて、まずは一安心。
 ここから徒歩で一歩踏み出すと… 何と、登山道が熊笹に覆われ消えつつあるとの予想外の事態に直面。さてはコロナ禍で訪問者減少ゆえの道荒れ? これじゃ後数年で踏跡も定かでなくなるぞ… と多少将来に不安を覚えつつ、樹幹に付されたテープの目印に従い前進、ほどなく右に曲がり、頂上への直登ルートに入ると、幸い道は大分明瞭になったが、代わりに傾斜は次第に度を加え、やがて頂上直下のロープが設置された急傾斜箇所に至ると、今度は路上の落葉が大分湿って滑り易いという、別の予想外の事態が出来。どうも昨夜樹木を覆った霧氷が、日中の気温上昇で溶けて降り注いだらしい。膝に不安を抱える私にとって、実はこれが侮り難いコンディション。下手に滑り転んで脚に負傷でもすれば、これまでの「訓練」成果が水の泡だ。えらい所に来てしまった… と思ったが後の祭り。今更引き返しても危険に大した差はあるまい。となれば、ここは最早、ただ慎重に進む以外に手はない。
 かくて、ゆっくり一歩一歩高度を上げ、どうにか難関を突破して頂上に到達すると… そこにある小祠と保科小学校の登山記念塔は以前訪れた時のままだったが、周囲の樹林は以前より成長したのか、眺めがまるで得られないという、またしても予想外の状況。したり、折角登ってきたのに…!
 こういう場合は、巡り合わせが悪いのだと潔く諦め、早々に撤収するに限る。然るに下りは登り以上に慎重さが求められ、大分神経を消耗、それでも、途中一度尻餅をついた程度で、どうにか無事に登り口まで帰着。やれやれと思いつつ林道を下っていくと、皮肉にもその頃になってようやく、四阿山や根子岳、それに浅間山などが、雲一つなく良好に望まれるようになっていた。誤算続きの今日の山も、最後ばかりは「嬉しい誤算」だったようだ。







 その名の通り展望良好〜内山牧場近くの物見山
 この数週間、どうも週末の度に、あまり好天に恵まれず、いささか物足りなさを禁じ得ずにいたが… 12/3、この日は久々に晴天の予報。となると、どうせなら大いにスカッとした大展望に確実に接してみたい。となれば「名は体を表す」で、目指すは山名に「物見」と付く山に限る。それでまず最初に私の脳裡に浮かんだのが、軽井沢の南、「内山牧場」の近くに位置する「物見山」。
 そこで、私は早朝に長野を発ち一路「妙義荒船林道」を目指し、無事登り口付近まで到着。この山に登るには、通常の登山道なら南の尾根通しに付けられているが、それでは樹木が障害となり面白くないので、今回はあえて東側の牧場の縁から登ってみることに。
 で… 適当な林道脇のスペースに停車し、時折、鹿の糞が見られる牧場の草原の中を高度を上げていくと、じきに背後に、妙義連峰や鼻曲山、浅間山などの雄大な姿が望まれ始めた。もちろん前衛には遮る障害物もなく、しかも今日は雲一つない晴天! これぞ正に狙い通りの状況、来てよかった。
 もっとも、正規のルートでないので、上部では笹原の中に分け入らざるを得ず、また最後に尾根通しの道との境に張り巡らされた牧場の有刺鉄線の柵を乗り越えるのに一苦労したが、いずれも当初から予期していたことゆえ、さして気にもならず、無事、頂上に到着。
 頂上からは、やはり浅間山の眺めが最高だったが、荒船山方面は残念ながら樹木が邪魔であまり良好に望めず。それでも、このところ天候の巡り合わせが悪く、なかなかまともな展望を楽しむことができずにいた私の一寸した「欲求不満」を解消するには、十分過ぎるほど贅沢な明るい頂上だった。







 物見山では得られぬ眺めあり〜物見岩
 物見山への登頂後、私はまた牧場の縁を駐車場所まで下った。が… まだ時間には十分余裕があるし、天候も相変わらず申し分なし。となると当然のごとく、折角だからもう1箇所、という気になる。特に先の物見山からは、荒船山方面などの眺めが樹木の障害で今一つだったので、今度はそちらもクリヤーに望める場所へ… となると、選択肢は一つ。物見山のさらに南に位置する「物見岩」。実は私、ここには平成17年(2005年)に一度訪れたことがあるのだが、その際は生憎の霧で、展望的にはあまり良好とは言えなかった。しかし「物見」と名が付く以上、晴れさえすれば素晴らしい展望が得られるはずだし、いつか機会があれば、好天時に再訪してみたいと思っていたところだった。今日こそは正にその絶好の機会に違いない。
 もっとも、ここは「山」としては、国土交通省の「内山無線中継所」入口脇から登れば、ほんの十数分で上がれるという手軽さだ。展望が良いのは、三角点標石がある頂上のすぐ先の露岩上で、わくわくする想いと共に攀じ登ってみると… そこからは実に期待通りの雄大な展望が開けた。
 まず第一に目を惹くのは、やはり、南に豪快に聳える荒船山の姿。特徴的な断崖絶壁はちょうど日影で暗くはあるが、それでも見ただけで下半身がゾクゾクするほどに迫力十分だ。それから順次、右に目を転じていくと、兜岩山、御座山、茂来山、八ヶ岳連峰、美ヶ原、さらには遠く北アルプスの槍・穂高連峰をはじめとする白銀の連嶺まで… これらのいずれも、物見山では今一つ良好には得られない眺めであり、実に絶妙に、物見山の補完を果たしているといった感が強い。
 しばし、その「絶景」と呼ぶに相応しい大展望を堪能すると、私は元来た道を下ったが、帰りがけに折角だから「内山無線中継所」の展望台にも上がってみた。と… ここからは、今度は間近に迫る物見山と、その右に浅間山、さらには遠く谷川岳や武尊山など上州の山々までもが望まれ… 全く、先の物見山共々、心底「来てよかった」と思える充実度の高い山歩きの一時だった。







 前日とは打って変わって曇天〜長峰山
 この週末は、それまでの週末と違い、土曜日(12/3)が自由時間で、翌日曜日(12/4)は所用、となっていた。結果的にはそれが幸いして、前日12/3は申し分のない晴天だったが、翌12/4は早くも曇り加減ですっきりしない空模様。そんな空の下、私は所用で大町市から松本市辺りまで走り回っていたが… とりあえず用事が一段落した午後2時過ぎ、帰る途中に折角だから旧明科町の裏山「長峰山」に立寄っていくことに。
 山も、日常的に普通に行けている間は、あたかもそれが当然のことのように思われ、私も以前は「訪れることができる」有難味を特に感じなかったものだが… いざ自身の膝や腰に不安を抱えるような身になってみると、今更ながら山を歩けることの「かけがえのなさ」が、ひしひしと実感されてきて… 少しでも余剰時間があれば、行ける時に行っておきたい、という感が、日に日に強くなる。今回の場合も、上がる先から既に北アルプスは雲の彼方とわかってはいるが、それでも、たとえ短時間でも「山」に身を置くことの喜びを感じたい、という一心からだった。
 そして… いざ目的の長峰山の頂上に達し、そこに設置されている立派な大展望台に上がってみると、北アルプスの眺めがダメな代り、比較的近い山々が、ある意味フレッシュな雰囲気を伴って私の眼に映じた。いずれも私が以前訪れたことのある、京ヶ倉、岩殿山、四阿屋山、大洞山、御鷹山、入山、二ツ石峰、戸谷峰、鉢伏山、といった「中堅」の面々… それらの姿は、あたかも私に対し、ここぞとばかり「またいつか、登りに来い!」と自己主張しているかのようであった。無論そんなこと、所詮は私の都合よい「思い込み」に過ぎぬとは重々承知の上ながら、少なくとも私自身の今後に向けての「モチベーション」を高めるという見地からは、こんな「妄想」も決して無意味ではあるまい…!?







 所用の帰りに〜佐久市臼田の稲荷山(稲荷山城址)
 ここに記すのは、先に掲載した「芥子坊主山」と同様、「山」というよりは、たまたま所用の帰りにおける、きわめて僅かな時間の「寄り道」に過ぎないのだが… それでも一応「山」と名の付く場所ではあるので、あえて一筆しておく次第。
 この日、佐久穂町で午前中にあった所用を昼過ぎに終えて帰る道中、たまたま旧臼田町にさしかかった辺りで、前途に見えてきたロケットのような建物が何かと同行者に尋ねられ、あれは「稲荷山」という昔の城址にある「コスモタワー」という展望台で、ここからすぐ行けると私が答えると、折角だから立ち寄って行こうとのこと。時刻もちょうど昼の休憩時間、それでは… と早速車を直下の駐車場に回し、しばし頂上一帯を散策。
 展望的には茂来山や八ヶ岳連峰が望まれたものの、後者は雲がかかって、今一つパッとした眺めとはいかず。またそれゆえに、件の展望台も面倒臭くて、あえて上がらずじまい。結果、ほんの10分程度の後には車に戻り、早々に帰途についた。