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【山行リスト】
カタクリの花盛り〜信越トレイル・黒岩山
家族サービスの合間に〜中山・弘法山散策
ちょっと気になる安曇の寂峰巡り@〜大洞山
ちょっと気になる安曇の寂峰巡りA〜浅川山
この時季ならではの「賑やかさ」〜冠着山
ついでの訪問〜たら原山と「芦ノ尻道祖神」
三角点標石探索など〜皆神山
5月5日は子供を山へ〜保基谷岳
薄暮の山第5弾〜髻山
薄暮の山第6弾〜葛山
家族ドライブのついでに立ち寄り〜飯山市・鷹落山
雰囲気の良さに再訪〜信越トレイル・黒岩山と鷹落山
薄暮の山第7弾〜皆神山に再訪
所用のついでに寄り道〜芥子望主山
もう一つ寄り道〜今年2度目の十観山
カタクリの花盛り〜信越トレイル・黒岩山
4/29、ゴールデンウィーク前半の2日目、家族で飯山市の黒岩山に訪問。私にとってこの時期は、例年、家族サービスの方が中心となり、連休とはいえ山の方は不調のことが多いのだが… 今回の場合、たまたま山麓の千曲川河川敷で「菜の花まつり」を開催しており、それに家族で訪れたついでに、折角だからと家族を誘って、折しも盛りのカタクリの花などを愛でながらの長閑な山歩きを楽しんだ次第。
この山域は「信越トレイル」といって、ここ数年来近在のNPOが道を良好に整備してくれており、標高的にもさほどでないので子供同伴でも比較的安全に歩けるのが嬉しいところ。それに、どちらかというと一般にはマイナーな山域であることから、良く整備されたルートの割には入山者が少なく、私のような人ごみ嫌いには実に願ったり適ったり。それだけに私には、これからもずっと大切にしていきたい珠玉のエリアなのだ。
ちなみに私にとって、黒岩山は今回で2回目になるが、今回の訪問で特に印象的だったのは、何といっても前述のカタクリの花々。むろん、カタクリ自体はそんなに珍しいものでもないし、群生地と称する場所も随所にあるが… それにしても山腹から頂上にかけて、絶えずこの花が目につくほどの群生地を、私は実際これまで他で見たことがない。しかも、そんな明るく楽しい山稜を、我々家族がノンビリ歩いている間に出会った人の数は、連休中にもかかわらず、何とたった一人だけ(!)。皆、この山域の良さを知らないのか、それともこんな一見地味な山域に興味がないのか、はたまた最近の熊出没多発の影響なのか… いずれにせよ静かな山であってくれることは、我々にとっては至極有難いことではあるのだが…!?
家族サービスの合間に〜中山・弘法山散策
4/30、ゴールデンウィーク前半の3日目、この日も山の方は二の次で、家族サービスを優先し、辰野町にある某公園で子供達を遊ばせていたが… 公園からの帰り、若干時間があったことにより、にわかに思い立ち、松本市の中山から弘法山までの遊歩道を歩いてみようと企てる。
両山ともに、私としては既に一応訪れたことはあるが、両山間の遊歩道だけは「足」の都合で、これまで歩いてみたことがなかった。幸い、今回は家族で訪れているので、女房に頼んで私が歩いている間に車を弘法山の駐車場に回しておいてもらうことが可能だ。
そこで、早速中山の頂上近くの駐車場に上がり、歩き出す。なお、子供達の1人くらいはついてくるかと思ったが、さすがに先刻の公園での遊び疲れのせいか、同行を募っても案外誰も手を挙げなかったので、はからずも私だけで歩くことに。駐車場から素朴な形式の「鍬形神社」などを見つつ、まずは中山頂上三角点へ。そのすぐ近くの標識に従い、いよいよ遊歩道へと足を踏み出す。と… それからほんの2km弱、約30分ほどの間に、私はこの遊歩道の魅力を大いに実感することになった。路傍に咲く山吹の鮮やかさ、行くにつれて左右の樹間にひらける松本平の俯瞰や戸谷峰、美ヶ原等の東の山並み、道はさして急でもなく、適度なアップダウンあり、また所によっては崩壊地の縁の若干スリルのある痩せ尾根あり…
そして、そのフィナーレは、かなり標高は下がっているとはいえ、松本平や北アルプス連峰の遮るもののない眺めが拡がり、最も開放的な弘法山古墳の円頂! そこで車で先行していた家族と合流し、夕刻前のわずかな時間ながら、我々はしばし長閑な憩いの時を過ごした。
ちょっと気になる安曇の寂峰巡り@〜大洞山
5/2、この日は連休の合間の平日だが、久々に風邪とかでなく休暇を取得。この日は平日だけに、子供達は学校のため家族サービスの必要もなく、その意味では貴重な機会なので、ここはひとつ、普段家族同伴では行きにくい、思い切りマイナーで道すら定かでないような山に… というわけで、普段気にはなっていながら、なかなか行く機会のなかった山々を目的地に選定することにする。
それで、まず最初に訪れたのが、北安曇の松川村と大町市との境にある「大洞山」。この山、私としては、去る3/24に城山(西山城址)に訪れた際、さらにその奥に結構立派な山容を見せているのに気がついていながら、天候の方が今ひとつだったため、残念ながら訪問できなかった所だ。もっとも皮肉なことに、今日も天候の方は朝から今ひとつはっきりしない空模様だったのだが、それでも地形図上で検討すると、同山の西に峠越えの車道が通じており、その最高点あたりから取り付けば、さほど時間を要さずに往復できそうに思われたため、あえて行ってみることに。
長野から大町方面に車を走らせると、案の定、途中でフロントに多少雨滴が散ったが、とにかく同山の西の車道を上がり、車道の最高点よりやや松川側に下った所の「待避所C」とあるスペース付近を取付点に定め、早速踏み込む。林間をしゃにむに急登し、とにかく高い方へと登りつめると、やがて西山城址からの稜線上に飛び出て、後は左にわずかで頂上。そこは元々三角点峰でない上に、頂上を示す標識もなく、また周囲は樹林に囲まれ展望もない、当初の予想以上に地味な頂上だったが、それでも3/24以来懸案の峰に登り得て、私は深い安堵感をおぼえた。
ちょっと気になる安曇の寂峰巡りA〜浅川山
5/2、先の大洞山への訪問後、次いで私は安曇野市の「浅川山」へと向かった。この山、南安曇の古刹「満願寺」の裏手にある山で、安曇平の南から望むと、結構立派な山容を見せ、登行欲をそそるものであるが… 私は以前、この山の頂上直下まで食い入っている「林道北沢線」を利用して登ってみようと試みた際、うっかり地形図を持参せずに行ったため、浅川山より北にあって標高も高い1,909.4m三角点峰の方を浅川山と誤認してしまい、挙句は猛烈な笹薮の中で腰につけていた携帯電話を紛失して、1,909.4m三角点峰にも登頂できずに終わるという失態を演じたことがあり… その意味では、私にとっては懸案の山というよりは、むしろ因縁の山ともいえる。
さすがに今回は、前回の二の轍は踏みたくないので、地形図上でも十分検討した上での訪問。「林道北沢線」を頂上直下まで上がり、同山のすぐ南約400〜500mのあたりで林道が大きく左カーブしている地点を取付点に選定して、早速そこから踏み込んでみたが、予想通りほとんど踏跡はなく、深い熊笹が進路を阻み、おまけに先刻まで小雨が降り続いていたとみえ、わずかの間に笹の露で我が下半身はびしょ濡れと化した。もっともそれは当初から覚悟の上、とにかくゆっくり進み続けると、やがて上部で深い笹が切れ、気持ちの良い稜線上の進行に。ここまで行くと、稜線上には意外にも明瞭な踏跡があったが、かつて地元の人によって少しは登られていた頃の痕跡か、それとも獣道の類なのか…
そんな登りを経て、とにかく登りついた頂上は、三角点標石が笹の下に沈んでいる以外、例によって山名標識すら見当たらない静かな場所だったが、疎林の間には北アルプスの常念岳あたりが間近に望まれ、人気のない山の割には結構明るく豪勢な雰囲気の頂だった。
この時季ならではの「賑やかさ」〜冠着山
5/3、ゴールデンウィークもはや後半の初日。この日は前日とは違い、子供達も学校が休みとあって、例によって家族サービス優先になることを覚悟していたが… しかし当面近所で行きたい所は連休前半に行ってしまったし、かといって遠出しようにも金もなし、また無理して遠くに出掛けたところで、この時期は人出が多いゆえ、悪くすると渋滞にはまって時間を浪費した挙句、人ごみばかりを見て帰るハメになるのがオチなので、どうも気がのらずにいた。と… 家族も同様に思っていたらしく、今日は珍しく山でもいいという。これは私には願ってもないことだが… 家族同伴ではあまり妙な所に連れて行くわけにもいかないし、どこか良い所はないかと思案の末、勝手知ったる冠着山に弁当とビニールシートを持参で訪問し、しばし憩いの時を過ごしてみることにする。それというのも、この山、今の時季なら、おそらく頂上直下でアズマイチゲやコブシが盛りだろうし、陽に照らされても暑からず寒からず、ちょうどよい頃なので、家族でのノンビリした訪問には最も適当な目的地だろうと思ったのだ。
そこで、早速同山の直下の駐車場に上がってみると、いつになく多くの車が駐まっている。妙に思いつつ登っていってみると、そのうち上から続々と下りてくる人々とすれ違ったので、今日は何かあるのかと尋ねてみると、山麓の公民館の恒例行事で大勢登ったのだとの答え。もっとも、我々が登って行った頃には、それらの人々はあらかた下ってしまっていたので特段喧騒さもなく、我々は狙い通り頂上での長閑な憩いの時をしばし楽しめた。また、アズマイチゲやコブシも予想通り盛りで、この時季ならではの一種賑やかな山の雰囲気を、我々は時間の許す限り味わった。
ついでの訪問〜たら原山と「芦ノ尻道祖神」
5/3、先の冠着山への訪問後、まだ時間に余裕があったので、我々は聖山方面へと回り、聖山直下のホテルで入浴して先刻の山での汗を流したが、その後もなお若干時間に余裕がある。そこで、折角来ているのだから、聖山にでも車で上がってみようかとも思ったが、しかし聖山の頂上は砂地で、以前子供達を連れて訪れた際に、やたらと砂埃が立って鬱陶しかったのを思い出し… 入浴後にわざわざ砂埃を浴びに行くのはどうも気が進まず、かといって別の山に行くには既に時間的に十分でなく… しばし思案の後、聖山の続きに「たら原山」という変わった名の山があることを思い出し、今回はそちらに行ってみることにする。この山もまた聖山と同様、電波施設があるため車で頂上まで上がれてしまう山ながら、こちらは聖山と違って頂上一帯は熊笹の原なので、少なくとも砂埃は立たないし、また樹間に北アルプス後立山連峰方面などの眺めも相応に楽しめる。
そこで、その方へと早速車を走らせ、頂上にある国土交通省のレーダー雨雪量計施設前に乗り入れて、笹を踏みながら同施設の背後に回ると、その先の樹間には狙い通り北アルプス鹿島槍ヶ岳方面などの眺めが得られたが、何とここで折悪しく、突然天空に響き渡る雷鳴と共に周囲に雨が少しずつ落下し始め… さして長居もできないまま車に駆け戻り、山麓に下るハメに。が… 山麓では思いがけず、藁作りの巨大な人面を被せる特異な習俗で有名な芦ノ尻の道祖神を見ることができ、頂上での中途半端な気分をどうにか埋め合わせることができた。
三角点標石探索など〜皆神山
5/4、この日私は、どうも前夜に子供に風邪をうつされたとみえ、折角の休日なのに朝から今ひとつ体調がすぐれず、それゆえ外に出掛けようという意欲があまり湧かずにいたのだが… こういう時に限って、家族はどこか山にでも出掛けたいという。そこで、風邪気味の私でも特段無理なく歩け、かつまた家族も公園気分で散策できそうな近所の山、というわけで、にわかに長野市松代の皆神山を思いつく。
もっとも、この山、ほとんど頂上まで車道が通じており、車で上がればまるで「山登り」にならないのだが… 今回私がふと気がついたのは、私は案外、この山で三角点標石を見たことがないということ。この山の頂上部は「皆神神社」やゴルフコースのある主峰と、地形図上三角点のある峰の2つに分かれているが、開発されている主峰とは対照的に、三角点峰の方はあまり人が訪れないせいか、頂上部はかなりの薮になっており、夏場などに行けばとても足を踏み入れられるような状態ではなく、三角点標石がその薮の中にあることはわかっていても、これまで実際にそれを見る機会はなかったのだ。が、今の時季ならまだ緑は薄い。で、もしかしたら今日は標石を拝めるかも知れないなどと密かに期待しつつ、訪問。
まずは三角点の峰へ。細い道を入れる所まで車で入り、早速頂上へ駆け上がると、予想通り薮はまだ薄く、おかげで案外あっけなく目当ての三角点標石を見出せ、これで一応来た甲斐あり。後は主峰の方に車を回し、「皆神神社」の境内あたりで子供達をしばし遊ばせる。折しも現地は「ピラミッド祭り」なる催しがあったようで(注:この山を太古日本のピラミッドだと主張する説あり)、周囲は存外賑やかな雰囲気だった。
5月5日は子供を山へ〜保基谷岳
5/5、ゴールデンウィークもいつの間にか終りに近づいた「子供の日」。私は前日来の風邪気味の体調が相変わらず今ひとつ優れなかったが、しかし昔から「5月5日には子供を高い所へ登らせろ」とかいう。それに天候の方もそこそこに穏やかだし、折角の休日を無駄にする手はない…! というわけで、近所で無理なく登れて相応に面白そうな所はないかと、にわかに思案の上、長野市の雄峰の一つ「保基谷岳」を思いつく。この山には、2004年の9/12に長男・次男と共に訪れたことがあり、それ以来の訪問になるが、市町村合併前は飯縄山に次いで長野市第2位の標高を誇る山であったことから、それ以前にも私個人で何度も訪れており、私にとっては勝手知ったる馴染みの山の一つだ。
この山、「林道東豊線」を利用して登り口まで入れば、後は頂上までほんの30分程度という手軽さで、幼少の子供にも、また風邪ひきの私にも、特に無理なく登れるだけでなく、頂上からの長野市街地の俯瞰などの眺めも結構良好ときている。強いて難点を言えば、頂上直下の急登が幼少の子供達には多少厳しそうだという程度だが、それすら2004年に一度、長男と次男を同伴して登って特に問題なかったので、今頃の季節であれば、実に家族登山には最適の山といえよう。特に今回の訪問では、登山道の両脇の林床に春の使者であるカタクリの可憐な花がちらほらと見られたり、また、これまたポピュラーな春の使者であるヒオドシチョウの舞が見られたことなどが、子供達の自然体験の上には相応の収穫であった。
薄暮の山第5弾〜髻山
5/9、早くも今年5度目の、仕事の後の薄暮の軽い山歩きとして、今回は長野市街地の北東にある戦国時代の山城址の山である「髻山(もとどりやま)」に訪問。この山へは、私としては2005年の6月半ばに訪れて以来の訪問だが、前回訪問時には時季的に少々遅かったとみえ、頂上の髻城本郭址には夏草が多くはびこり、相応に山野草などが観察できたとはいえ、憩うにはやや不向きであったことから、今回はそれより1月ばかり早めに訪れてみようと考えた次第。またこの山、三登山との鞍部まで車で入れば、後は頂上まで徒歩わずか300mほどという手軽さゆえ、仕事が終わった後などという、時間的に極度に限られた中で訪問する目的地としては格好の場所。道もしっかり整備されているし、傾斜もそんなにキツくなく、300mくらいなら大して汗もかかないので、あえて衣服を改めるにも及ばないのが嬉しいところ。もっとも、さすがに足元だけはスニーカーに履き替えた上、胸元からネクタイだけは外し、さらに腰には念のため熊除け鈴をぶら下げて、後は三脚を付けたデジカメだけを手に、早々に頂上に駆け上がる。
と… 当初期待していた長野市街地方面の俯瞰は、案外霞がかかって、今ひとつパッとせず。いささか残念だったが、その代わり、山城址ならではの、石積や虎口の遺構などを興味深く観察したり、また足元に咲き誇る可憐な山野草に見惚れたりしつつ、しばしの時を過ごすことができた。なお草の繁茂も予想通り前回訪問時ほどには高くなく、むしろ微風にそよぐスミレの花の様子が愛らしく感じられるような長閑な雰囲気だった。
薄暮の山第6弾〜葛山
5/11、本年6度目の仕事の後の薄暮の山は、戦国時代の山城址として有名な「葛山(かつらやま)」。この山、実は私としては4/13に前衛の頼朝山に訪れた際や、また4/25に観音山と郷路山に訪れた際、いずれも間近にその姿を望みながら、時間不足で訪問できずに内心残念に思っていたもので、この際、そんな気分を一気に払拭すべく、この山単独での訪問とした次第。
そこで、仕事が終わった後、早速長野市街地から飯綱高原に上がる途中にある「七曲り」の急な道を車で駆け上がり、登りきったへんにある案内板から細い道に入って笹峰集落付近の登山口まで乗りつけ、2日前の髻山の際と同様、靴のみ履き替えて登り出す。
と… しばし上がった所で、思いがけず、チゴユリが群落をなしているところを発見。その名のごとく、小さく汚れなき清楚な花は、実は私が最も好む山野草の花の中のひとつであるのだが、まさかそれに今日出逢えるとは! 幾分薄暗くなりつつある林中にあって、その白い花々はあたかもそれ自体微弱な光を発しているかのごとく、輪郭を我が視界の内に明瞭に浮かび上がらせ、かつそれらが周囲に吹き抜ける微風の抑揚に合わせてそよぐ様は、まるで妖精の踊りを目のあたりにしているかのよう。やはり、山はいつでも登れば相応に登っただけのことはあるものだ。
なお、この日は2日前の髻山より歩行時間は長かったが、気候は若干涼し目で、おかげで大して汗もかかず快適な里山での一時だった。
家族ドライブのついでに立ち寄り〜飯山市・鷹落山
5/12、この日は当初、家族サービスに専念するつもりで、適当に飯山市方面に車を走らせていたが、そこそこに天候も良いこともあり、折角だから、どこか楽なところでも行ってみようということになり… 去る4/29に黒岩山に訪問した際、すぐ近くにありながら割愛した「鷹落山」に上がってみることに。
この山、頂上に無線施設はあるわ、また今ではハンググライダーの方が有名な山とあって、私などはこんな機会でもなければ、案外行きにくい所。それでも、どんな山でも、行けば必ず行っただけのことはあるものだと期待して、「信濃平スキー場」の表示のあるへんから、細い車道を駆け上がる。
と… やはり、行っただけのことはあり、中腹で子供の歓声に車窓から空を見上げると、そこにはやや薄いながら美しい虹が… あわてて車を停め、デジカメ片手に車を飛び降りた私の足元には、久々にお目にかかる立派な株のスミレの花!(注:スミレ自体は普通に見られるのだが、案外立派な株というのが目に付かない気がする) 今度は私が歓声を上げ、デジカメで数葉の画像をゲット。それから後に目的の鷹落山の直下まで車で入り、わずかな歩行を経て頂上に立つと、そこからはいまだ雪化粧の頸城山塊の妙高山や火打山方面の山並みが前衛の山の向こうに見渡せ… 短時間ながら、やはり来てよかったと思えるほどの山の雰囲気をしばし味わえた。
雰囲気の良さに再訪〜信越トレイル・黒岩山と鷹落山
5/13、この日は家族サービスでもなく、長男のみを同伴しての軽い山歩きを企てる。目的地は「信越トレイル」の一部をなす、飯山市の黒岩山と鷹落山。これらの山々、実は私としては去る今年の4/29に黒岩山、また前日の5/12には鷹落山に訪問したばかりであったのだが、いずれの山も予想以上に雰囲気が良かったことから、普通なら年間に同じ山に何度も訪れるのは極力避けるところ、珍しくその「原則」を破って再度訪問してみることに。
と… 4/29にはカタクリの花盛りだったこの山域も、それからほんの2週間ほどしか経たないうちに、カタクリの花は著しく減り、代りにイワカガミやショウジョウバカマ、チゴユリ等の花々に置き換わってきており、また草本類だけでなく、木本類の方も、タムシバやズミなど、春から初夏に近づきつつあるのを実感させられるような花々が目につくようになっていた。実際、同じ山でも、時季をちょっとずらしただけで雰囲気的に全く変わってしまうところが山の面白く、かつ奥の深いところだ。
空模様も比較的良く、午前中はやや強めだった風も午後にはほぼ収まり、頭上から降り注ぐ明るい陽射しは、山の上においてさえ汗ばむほどの暑さ。いつの間にか、もう夏も近いのだということを強く実感した次第であった。
薄暮の山第7弾〜皆神山に再訪
5/17、平日だが例によって仕事を終えて帰宅後、にわかに思い立って長野市松代にある里山・皆神山に車を走らせ、頂上付近に駆け上がる。この山には、去る5/4にも家族と共に一度訪れているが、その際はどうも風邪気味で気分的にすっきりしなかったことや、またこの日は朝からずっと雨模様の天候だったところ、夕方近くになって晴れ間が見えてきたので、こういう時はもしかしたら蝶が飛ぶかも知れないなどと期待しての再度の訪問だったが… いざ行ってみたら、つい2週間ほど前には一面タンポポの原だった頂上直下の平地も、今回はほとんどが綿毛の種子に変わってしまっており… 残念ながら蝶の姿にはまるでお目にかかれず。
やむなく、この日は単純に頂上周辺をしばし散策して帰ることとしたが、頂上付近はちょうどサツキの花盛りで、次第に薄暗くなりつつある夕刻ながら、相応に明るい雰囲気の中、一日の仕事で疲れた心身を癒すことができた一時だった。
所用のついでに寄り道〜芥子望主山
5/20、松本市街地に近い里山である「芥子望主山」に訪問。この日は折角の日曜日ながら、たまたま午後に所用があって、それが終わった後の中途半端に残った時間を無駄にしたくないという思いから、にわかに思いついて近くにあるこの山に訪れてみることにしたもの。もっともこの山、頂上直下まで車で入れるので、駐車してから頂上の展望台のてっぺんに上がるまでの所要時間はわずか5分程度という手軽さゆえ、実のところ気分的には最早「山登り」にはほど遠い地なのだが… このような山に何らかの「良さ」を見出せるかどうかは、ひとえに個々人の価値観の違いにもよるだろう。
ところで、この山の名である「芥子望主」(注:地形図上はこのように表示されている)について、どういう意味なのだろうかと、かねがね疑問に思っていたが、この日の所用の際に、たまたま地元の人と話をする機会があったので尋ねてみると、やはり地形図上の山名の字は誤りで、本来は「芥子坊主山」なのだという答えが返ってきた。おかげで、ずっと心の底にひっかかっていた疑問を一つ解消できた次第(注:このような当て字の誤りの例は、国土地理院の地形図上には他にも多くみられるが、測量当時は地名の当て字にあまり厳密にこだわらなかったのだろうか? ちなみに『日本百名山』の深田久弥先生も同様の見解を雨飾山の項などで述べておられる)。
もう一つ寄り道〜今年2度目の十観山
例年、4月〜5月にかけては公私共に多忙のため、ゴールデンウィークもあるものの、案外山の方は不調のことが多いのだが、多忙なら多忙なりに、その状況にあえて逆らわず、とにかくあらゆる機会をとらえて行ける所に行くように努めていくしかないもの。私にとって、5/20の山もまたそんな山。所用の後の中途半端な時間の有効活用にと「芥子望主山」(前項参照)に訪れた後、私は帰途についたが、今は日の長くなりつつある時季、なお若干の時間があるので、またしてもにわかに思いつき、帰りの途中で通過した青木峠の付近にある「十観山」にもついでに訪れてみることにする。
実はこの十観山には、既に今年の4/15、滝山に訪れたついでに一度訪れているのだが… 山は訪問時季によって、結構雰囲気が変わるので、基本的には何度訪れても、その時々の良さを見出せるもの。今回の場合、前回の訪問時にはなかったチゴユリやタチツボスミレ等の花々に目を惹かれながらの長閑な山歩きの一時となったほか、空は曇り加減で展望的には今ひとつだったものの、付近の雄峰である夫神岳や独鈷山、子檀嶺岳などの山々が、夕刻近い淡い色彩に染まりつつある情景をしばし眺めることができた。なお、ここに咲いていたチゴユリは、他所のものに比して何故か小振りのものが多く、その愛らしさが特に印象的だった。