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【山行リスト】
北アルプスの展望抜群!〜長者山
東御市・祢津氏の城山に訪問
中野市の城山(壁田城址)に訪問
三水村の戸谷峰に訪問
小川村の飯縄山に訪問
長野市の茶臼山に訪問
薄暮の老ノ倉山
薄暮の山第2弾〜麻績村の三峯山
牟礼村・髻山
北ドブ湿原と八剣山
薄暮の山第3弾〜薬山参拝
北志賀・竜王山
信濃町・薬師岳
小海町・阿登久良山
長野市・天城(てしろ)山
長野市・薬師山
北アルプスの展望抜群!〜長者山
5/8、久方振りに家族全員での山歩きに、信州新町の里山・長者山へ訪問。この山、実は信州新町出身の女房にとっては、古い馴染の山なのだというが、その割に案外訪れる機会がなく、女房はかれこれ20年、私にとっても10年ぶりの再訪となった。
ただ、私が10年前に訪問した際には、頂上に達しても周囲に雲がかかったせいで全く展望も得られず、特に取り柄もない里山といった印象しか残らなかったものだが… 今回改めて訪れてその頂上に立った途端、そんな印象などまさに一瞬にして吹っ飛んだ。
西に展望が開けた頂上からは… 何と、北アルプス連峰が眼前に! 北は白馬三山から、南は常念山脈あたりまで一望ではないか。先日訪れた大町市の鷹狩山や、明科町の長峰山からの眺めにも匹敵する素晴らしい展望!(然るに女房によれば、昔は頂上周辺の樹木がさほど生長していなかったため、今は完全に樹林に遮られている東方など、もっと展望は素晴らしかったという。)
然るのみならず、足元に目を転ずれば、そこかしこには可憐な春の草花が… フデリンドウ、タチツボスミレ、ミツバツチグリ、等々。
やはり、どんな山でも訪れただけのことはある。ある山の印象が再訪時において当初のそれより激変することは時折あるが(昨年の場合は八風山などがそうだった)、今回の長者山ほど、その変わりようが激しかった山も珍しい。私は、家族に呆れられるほど、やたらと嘆声を発しつつ、頂上周辺の明るい草付きをうろつき回りながら件の大展望を心ゆくまで堪能した。
東御市・祢津氏の城山に訪問
5/29、家族でのドライブのついでに、東御市にある「祢津城山」に訪問。この山、上信越自動車道の東部湯の丸ICあたりを走行する際、いつも北側に目について気になっていた端正な姿の小山で、今回ようやく訪問の機会を得たが、比較的短時間の割に、結構興味深い山だった。
祢津氏は、戦国時代にこの地方で海野・望月両氏と並び称された「滋野三家」の一つで、確か以前NHK大河ドラマで「武田信玄」が放映された際には、祢津氏の郷として地元で随分熱心に宣伝していたように記憶している。その祢津氏の本城址の山であるが、この山、登山の対象としてはかなりマイナーなため、登山口がどこかもよく判らないままに、適当に山麓に車を走らせていると、そのうち「西宮」という地名あたりで「宮嶽山陵神社」という道標を見出す。名前からしていかにも山上の神社らしいので、案外そこから登れるのではと早速細い道をたどって登り口へ。ところが… そこは民家の脇で駐車スペースも1台分しかなく、おまけにすぐ下の畑で農作業をしている地元の人が不審そうにこちらを伺っており、そのまま駐車してよいものか若干不安があったため… 悪いが女房子供には車に残ってもらい、私のみ早急に往復してくることに。
かなり長い石段を息を切らせつつ一気に登り切ると、山上にしては驚くほど立派な社殿前に。汗を拭って参拝を済ませ、さらに社殿の左手に続く道をたどると、やがて細い林道に出て「祢津城山」を示す明瞭な標識あり、後はそれに導かれて頂上へ。頂上近くの空堀や切岸は結構急峻に構築され見応え十分。ほどなく達した頂上は、いかにも山城址らしく山麓の眺め抜群、少々地味ながら明るく好感の持てる場所だった。
中野市の城山(壁田城址)に訪問
この週末は、6/4が親族の結婚式、6/5が幼稚園の父親参観日と野暮用が重なり、山はダメかと思っていたが、父親参観終了後の午後はがら空き、天候も良好ゆえ、せめて少々山の気分でも… というわけで、最近の山行のテーマの一つである山城址の峰のうち未訪の所として、中野市の壁田城址を目的地に選定。
山麓に車を走らせ、登山口を物色。ところが… 「健康づくりコース」なる標識はいくつも目につくが、残念なことに付近に駐車スペースが見当たらない。さて、どうしたものかと、それよりやや北寄りに車を走らせると、山腹を斜上していく車道を見出した。藁をもつかむ思いで早速そこに乗り入れてみると、案外その道は高くまで上がってゆき、最終的に城址のすぐ手前の駐車スペースまで車で入れてしまった。
壁田神社が祀られている頂上(本丸址)は、そこからほんの10分ほど、いくつかの堀割を乗り越えた先にあった。きわめて短距離ながら、その間足元には、キジムシロ、ジシバリ、ニガナ、ホタルカズラなど、春から初夏にかけての野花が咲き競い… ここが川中島の合戦当時、甲斐の武田方にとって重要な拠点であったという事実など、まるで嘘であったかのごとく長閑で静寂な雰囲気に満ちた山中だった。
三水村の戸谷峰に訪問
6/5、中野市の壁田城址への訪問に引き続き、松本市にあるのと同名で以前から少々気になっていた、三水村の「戸谷峰」に訪問。
実際、先刻の壁田城址探訪があまりに短時間で終わり、少々物足りず、そうは言っても「山」ならもう少し歩きたいとの希望もあっての訪問だったが… いざ山麓に向けて車を走らせてみると、これまた案外、結構高くまで立派な車道が上がっており、結局、車を停めてから頂上までは、ほんの5分程度という、先刻の壁田城址よりも短時間での登頂となった。然るにその割には周囲は樹林に囲まれ、わずかに斑尾山方面が樹林越しに望まれるほか、石祠が2基、ひっそりと祀られているだけの、極めて静寂かつ素朴な頂だ。
まあ、どんな山でも実際に訪れてみないことには本当のところは判らない。まして、今日の山々のように、少なからずマイナーで、ガイドブックの類の事前情報に極度に乏しい山はなおさら。が… 私はこの「戸谷峰」に、捨て難い一つの魅力を見出した。それは… ふと見下ろした足元に、小さく、しかし清楚に咲き誇る、愛らしいチゴユリの花々! この花、実は私にはチングルマやミヤマリンドウなどと並んで、最も好きな山野草の花のひとつなのだ。快哉! 今後、この花に手軽に出会いたくなった時は、ここに訪れることにしよう… などと、密かに心に期して車に戻った。
小川村の飯縄山に訪問
6/5、中野市の壁田城址と三水村の戸谷峰への訪問後、私は家族と共に一旦、家に戻った。が… 先刻の山々は相応に雰囲気良好だったものの、余りに楽すぎて少なからず食い足りない気分を禁じ得ず… 折しも陽の長い季節、ついに本日3つ目の山への訪問を思いつく。
それは、小川村の「大洞高原」の背景をなす「飯縄山」。たまたま長野市の最高峰と同名の山ゆえ、以前から気にはなっていたが、身近さゆえか案外これまで訪問の機会なし。にわかに家族に同行者を募ったところ、長男のみ挙手。で、早速2人で車で家を飛び出す。
登山口の大洞高原に到着した時には、既に午後5時を回っていたが、周囲はまだ十分明るい。駐車して登り始めた道は、意外や、コンクリートで固められた、車も通行可能な広い道(もっとも車は進入禁止)。山道としてはいささか興趣不足の道ながら、幼少の子供を伴う状況下では、むしろ安全で良い道。周囲の林床にも、先刻の山々同様、いくつもの山野草の花が咲き誇り、それらの中には例のチゴユリも含まれていたが、他に先刻の山々では目につかなかったギンランの白く可憐な花が目新しい。また頂上直下では樹林越しに、長野市の方の「飯縄山」や黒姫山など北信五岳の面々、さらにその手前には鬼女紅葉の伝説で有名な荒倉山などの山々が見渡せる。
登山開始後30分ほどで、頂上の「稲丘神社」着。脇の案内板を見ると、千年以上前の創建という由緒ある神社。その頃、ようやく陽も傾いてきたので、社前に参拝を済ませて下山。大洞高原まで戻ると、西に日没直後の残照に映える北アルプス後立山連峰あたりが美しく望まれた。
長野市の茶臼山に訪問
6/11、長野市の南西部にある茶臼山に訪問。この山、「茶臼山動植物園」で有名だが、その割に頂上に登った人の話を聴かない。公園エリアは頂上直下まで広がっており、そのへんから登路がありそうなものだが、国土地理院の地図を見ても、頂上まで通じる道の表示がない。
この日は、前日に入梅した影響か、小雨模様の鬱陶しい天候。今日は山は駄目かと半ば諦めていたが、たまたま付近を家族でドライブしていて、にわかにこの山への訪問を思いつく。折角の機会、登路も探索してみたいし、こんな天候でも、公園の中なら、さして濡れることもあるまい… と期待して、家族には適当に公園の東屋などで遊んで待っていてもらうこととし、私は傘をさして公園の遊歩道をてくてく歩き出した。
30分ほど歩き、公園の上端部の崖下近くで、小さい木製の看板に「一本松経由 茶臼山山頂」とマジックで書かれているのを発見。それに従い、脇の踏み跡に分け入ったが、いくら進んでも「一本松」らしきものは目につかなかったばかりか、挙句に道が少しずつ下り始めたので、おかしいと思って途中で引き返し、左手の最も高そうなへんに見当をつけて道もない薮の中を直登。と、狙い通り、登り切ったところで三角点標石と「茶臼山」の標識を見出した。ほっと一息ついたが… 気がついたら全身草の露でびっしょり(!) 濡れないだろうなどとは、やはり甘かった。
それにしても… 公園エリアのすぐ上の頂上にしては、踏み跡も薄く、余りの静寂さに驚いた。周囲が樹林で展望がないせいか? いずれにせよ、これでは登ったという人の話を聴かなくても無理はないと納得し、下山。
薄暮の老ノ倉山
6/13、たまたま早く仕事がひけたのを機に、陽の長さを幸い、にわかにこの山への訪問を思いつく。折しも梅雨の最中、ただでさえ週末が悪天候で台無しの連続になるかも知れないという強迫観念がある中、昨日の日曜日は仕事で山がダメだったこともあり… 梅雨の中休みの今日、老ノ倉山なら何とか空が明るいうちに登頂できるだろう、と期待して、高山村から万座温泉方面に延びる道を車で駆け上がる。
車は順調に走行し、無事、旧小串鉱山方面との分岐点手前の登山口に到着。手早く衣服を改めて、青色発光ダイオードの軽量ヘッドランプをポケットに忍ばせ、両側から迫るクマザサを掻き分けながら登行開始、途中、慌しい中にも、ツツジや足元のイワカガミ、ミツバオウレンなどの可憐な花々を愛でながら、15〜20分ほどの後(19:00を少々回った頃)、狙い通り、まだ薄明るさの残る頂上に立つ。
そこは晴天なら、眼前に迫る御飯岳や破風岳の威容はじめ、抜群の展望の良さを誇る取っておきの頂上なのだが、今日はさすがに梅雨の中休みのせいか、周囲には霧がかかって展望はほとんど得られず。わずかに霧の切れ目に、御飯岳の山容の一部のみがシルエットとなって望まれたのみ… それでも、そこはまがりなりにも標高2,000メートルを少々上回る山の頂。にわか思い付きながら、相応に「山」らしい雰囲気を味わうことができたせいか、ともすれば重苦しい気分になりがちな梅雨の季節の山の割に、駐車場所に向けて下る私の心は至極、軽かった。
薄暮の山第2弾〜麻績村の三峯山
6/14、前日に引き続き、比較的早く(18:00頃に)仕事がひけたのを幸い、時間の有効活用にと、またしても、どこか軽い山への訪問を企てる。職場を出た時点では、まだ目的地を決めてなかったが、とにかく適当に南に車を走らせていく中で、聖高原の「三峯山」を思いつく。この山、聖湖の東に位置し、展望台が設置されているほか、西側斜面には夏冬兼用のリフトもある山なのだが… なぜかこれまで私には訪問の機会なし。夕刻なら人ごみもないし、案外こんな山への訪問には好機かも…? などと思いつつ、聖博物館のやや上のテニスコートのあるへんから、適当に見当をつけて登り出す。最初はスキーゲレンデの中の直登も考えたが、左手の運動場の方に回ってみたら、運動場の柵の脇から稜線伝いにちゃんと明瞭な道あり。後はそれをたどり、最後に少々急登を乗り越えて頂上。昨日の老ノ倉山と同様、19:00を少々回った頃の到着。
頂上に到着してみて、実際、驚いた。何と、素晴らしい展望! 間近には冠着山や聖山、また眼下に聖湖などが良好に望まれるのをはじめ、何にもまして心惹かれるのは、既に夜景に移行しつつある善光寺平方面の街の灯火の煌き… そもそも、この方面からの善光寺平の夜景には定評あるところだが、そんな贅沢な眺めを、周囲に誰もいない中、独り占めにできる気分の良さ! 実に展望台に相応しい、かくも素晴らしいピークの真価を、これまで知らずに日々を過ごしてきてしまったことに、いささか後悔の念をおぼえつつ… 19:30頃、下山。
牟礼村・髻山
6/18、この日は、本来なら母校の山岳OBの先輩方と、越後の妙高山へ行く予定だった。先輩方は「大谷ヒュッテ」泊りの1泊2日で行かれるが、私はたまたま日曜日に所要があり泊りが無理のため、日帰りで妙高に登った帰りにヒュッテに顔を出して先輩方に挨拶し、自宅に戻るつもりであった。ところが… 前日、先輩のM氏が私に電話をかけてきて言うには、今年は残雪が多く危険のため、妙高は登山禁止とのこと(!)。何だ、それなら、行っても酒も飲めるわけじゃなし、余り意味がないなと思い、残念ながら行くのを中止したのだが… 良くしたもので、こんな場合に限って、飛び入りで別の所要が生じ、それをようやく片付けた時には既に昼過ぎで、午後半日のみ残されているという、中途半端な状況になってしまった。
しかし、そうは言っても、折角の休日、たとえ身近な所でも… という訳で、にわかに髻山を思いつく。この山、案外知られていないが一等三角点本点の山であり、かつ全国に48点しかないという珍しい天測点が設置された山でもある。然るに登山口からは、ほんの30分程度も歩けば登頂できる程度の里山。また、つい最近、頂上の南側の余計な木が伐採され、展望が良くなったという話も聞いていたので、参考までにと、家族と共に訪問。戦国時代に上杉方の重要拠点だったという山城址の頂上に立つと、時季ゆえか意外と草叢が深かったが、事前情報通り長野市街側の展望が良く、また足元を見れば、可愛らしいホタルブクロなど、初夏の山野草の花々がひっそりと咲き誇り、短時間ながら嬉しい山歩きの一時だった。
北ドブ湿原と八剣山
6/19、この日も、前日同様、午前中の野暮用のため、午後のみが行動可能。が… 折角の休日を無駄にすまいと、にわかに表題の目的地を選定。家族の同行希望は最近の例のごとく長男のみ。で、正午少し過ぎに車で自宅を飛び出す。ところが… 途中、道に迷ったりして時間をロス、カヤノ平の登山口着は既に15:00頃。それでも陽の長い時季、何とか暗くなるまでには往復可能と判断し、案内所の前に駐車して歩き出した。
途中、見事なブナ林の中、「北ドブ湿原」に向かう間に、善光寺平方面から遠雷の響きが微かに聞こえてきた。遠いとはいえ物騒な響きゆえ、少々気をもんだが、幸い湿原に到着する頃には終息。後で知ったが、ちょうどその頃、長野市あたりでは猛烈な夕立があったという。然るに、こちらは曇天ながら「北ドブ湿原」にかかる頃には薄日さえ射す長閑な空模様。そして… その淡い光線の下、今を盛りと咲き誇る、山野草の花々の数々に遭遇! サンカヨウ、リュウキンカ、ミツバオウレン、タテヤマリンドウ、キヌガサソウ、等々。「ドブ」という地名の語感があまり良くないが、現実はドブどころか、まさに山上の楽園というべき。快哉! 時間的に、いささか慌しい山行ではあるが、やはり来て良かった。
しかも、美しい山の花々は、それから湿原を離れて、八剣山への最後の登りにかかっても、行くみちみち適度のタイミングで現れ、その都度目を楽しませてくれた。ユキザサ、コミヤマカタバミ、ツバメオモト… やがて到達した頂上は、樹林に囲まれ展望はなく、山頂を示す標識と三角点標石があるだけの地味な場所だったが、中途の湿原と花々の美しさは、そんな地味さを補って余りあった。
薄暮の山第3弾〜薬山参拝
6/22、一年の中で最も陽の長い時期を幸い、またまた仕事がひけた後の軽い山歩きを思いつく。にわかに選定した目的地は、通称「ブランド薬師」と呼ばれている薬山。ここは私としては既に幾度も訪れている地ではあるが、頂上直下の「八櫛(やくし)神社」から、暮れ行く長野の町並みを眺めるのも面白いかと思い、思いつくままに車を登山口まで走らせる。
登山口付近のスペースに駐車、車の陰で手早く衣服を改め(注:気が向けば夜間登山に行く場合もあるので、車中に備えてある。私が思うに、仕事後ナイタースキーに行くより、余程手っ取り早い運動と思うのだが…)、鳥居をくぐって登り出す。不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩… と次々に路傍に現れる石仏に頭を垂れつつ進み、20分ほどで以前は「薬師如来」だったという「八櫛神社」に到着(注:かつて薬師と思われていた石像が、後に神像と判明したため、神社になったとか…!)。そこから見る薄暮の長野市街は、期待通り一種風流な眺め。
岩壁の縁に建立され、かつては人が乗るとブラブラ揺れたので「ブランド薬師」の異名をとったという社殿の中で、洞窟の奥に祀られている本尊に参拝し、後は暗くなるのと競争しながら、観音菩薩、勢至菩薩、と過ぎ、最高点と思しき阿弥陀如来に一礼すると、発光ダイオードのヘッドランプのお世話になりつつ、19:30頃、無事、車に戻る。
北志賀・竜王山
6/25、家族と共に、北志賀の竜王山に訪問。たまたま前週、カヤノ平の北ドブ湿原に訪問時、今を盛りと咲き誇る山の花々が大変美しかったので、是非、家族にもその片鱗に接してほしい… と思い、ロープウェイで結構高くまで上がれ、かつ頂上直下に湿原のある、この山を選定。
で… 160人以上も乗れるという、巨大な「竜王ロープウェイ」に乗って、我々は早速山上へ。後は山頂まで湿原を見物しつつ、ノンビリ往復してこようとの算段だったのだが… 幸か不幸か、スキーゲレンデ敷らしい広い道を歩いているうち、本来の道から外れ、山頂まで通じるスキーリフト敷沿いの踏み跡に入り込んでしまった。もっとも途中で気付いたが、リフトの終点が頂上だと判っていたので、そのまま進行。結果的にはそれがいくつかの好結果に結びついた。まず、私は見逃したが、家族がカモシカを目撃したこと。次に、頂上直下のちょっとした湿地で、思いがけずミズバショウに遭遇できたこと。実は後刻判明したが、木道のある湿原の方では、既にミズバショウの花期はほぼ終わってしまっていたのだ。何故道を間違え、しかもそこだけにミズバショウが残っていたか…? 偶然にせよ、家に戻って考えるに、何やら「山」の心づくし的なものを感じ、感無量だった次第。
ともあれ… やがて頂上の標識を拝んで本来の道を下り、ようやく湿原の木道入口を見出して踏み込んだところ、ミズバショウは前述の通りだったものの、代わりにリュウキンカやミツバオウレンなどの花々が十分目を楽しませてくれた。
なお、後は一旦ロープウェイ山頂駅に戻り、付近に家族を待たせておいて、私のみ三角点のある「小竜王」を往復し、無事、本日の登山終了。
信濃町・薬師岳
6/26、信濃町にある里山・薬師岳に、長男・次男と共に訪問。この山、一般にはあまり知られていないだろうが、上信越自動車道の「薬師岳トンネル」の上の山だと言えば、案外ピンとくる向きもあるかも知れない。この日は本来なら、ようやく登山規制が緩和された浅間山の外輪山・黒斑山あたりに訪れようかと思っていたのだが、いざ出発する段になったら、長男と次男が一緒に行きたいと言い出し… 子供同伴では浅間は危険かと思い、やむなく、これまで未訪の山のうち安全そうな所ということで予定を変更した次第。このところの暑さの中、標高1,000mすら割っている山というのはどうかとも思ったが… 結果的にはそのお陰か、普段の山では目につかないようなものを、いくつか目にすることができた。
まず1つが、面白い形の花(下掲の左の画像を参照)。一見、まるで水引細工のようなこれは、よく見たら、れっきとした花だったのだ! 私はこんなものを初めて見たので、自宅に戻って図鑑にあたったが、さっぱり判らない。そのため… 本HPにもリンクさせていただいている、山の花のサイト「サンカヨウ」管理人の中島氏に問い合わせたところ、「ウリノキ」の花であるとの回答あり(中島様、御教示どうもありがとうございました)。
次に、これまた変わった蝶(下掲の右の画像を参照)。家で図鑑で調べたら「ダイミョウセセリ」という名の蝶であると判明。特に珍しい蝶でもなさそうだし、多分これまでにも何度か目にしてはいると思うのだが… しかし実際明瞭に意識して見たのは、私には今回が初めての経験になった。
なお、山自体は、その名の通り頂上に薬師堂があり、樹林に遮られ展望はないが、その分適度な木陰で時季の割には結構涼しくて良かった。
小海町・阿登久良山
7/3、この日は、久々に私一人での山行。となると、未訪の山で、それも家族連れで行きにくい山がいい… というわけで、あれこれ考えた結果、面白い山名から、いつも気にかかっていながら、これまで案外訪れる機会がなかった、小海町の「阿登久良山(あとくらやま)」への訪問を決意。
小海町の馬流から、親沢方面へと続く車道を上がり、目的地の南麓あたりで、左に入る林道を行ける所まで入り駐車。後は徒歩で薮がちの林道をたどり、登り口を探索したが、どうもそれらしきものを見出せないまま、自身の位置は東麓に移っていく。そのため、私はある時点で意を決し、ついに左手の薮の斜面に突入、そのまま薮を漕ぎつつ上へ上へと進む。顔にかかる蜘蛛の巣や木々の小枝が鬱陶しいが、それでも、こんな周囲の視界すら満足に利かない状況の下、これまで培った経験と勘を頼りに山中を進み行く際に感じる、背筋がゾクゾクするような期待と不安とが入り混じった独特な感覚がたまらない。また、そんな緊張の中にも、足元や周囲の樹枝に人知れず咲き誇る山の花々には自然、心がなごむ。
登行30〜40分、そのうち周囲は赤松が多くなるとともに露岩が顕著に。赤松となると… さてはこの山、茸山ゆえ一般的な登山道がないのだなと納得。秋に来なくて良かったわいと思いつつ進み、素朴な石祠に一礼して、わずか登ると展望の良い岩稜上に。茂来山、御座山、天狗山などが望まれるが、梅雨時のせいか、いずれも雲がかかって今一つ。その代わり、進行方向左方に急峻になだれ落ちる岩壁の迫力に思わず身がすくむ。慎重に進み、登行開始後1時間半で、首尾よく三角点のある頂上に到着でき、ほっと一息。いやぁ… これは実際、子供同伴の山では味わえない、久々に手応えある山だった。むろん周囲には他に一人の人も見当たらず。私は一人頂上に立ち、充実感と共に心地好い汗をぬぐった。
長野市・天城(てしろ)山
7/8、平日だが故あって休暇取得。もっとも例によって午前中は野暮用、午後1時以降の時間が余る。そこで、これまた例によって時間の有効活用に「あんずの里ハイキングコース」の偵察を思いつく。以前、長野市松代の「妻女山」のすぐ奥の道脇に、標識があったのを思い出したのだ。コース名からして、行き先は多分千曲市の森方面なのだろうが、私自身これまで歩いたことがなく、興味津々で妻女山から歩き出す。
最初は車も通行可能なほど広い道。全く道任せの進行だが、コースの標識は適当な間隔で設置されており不安はなし。30分〜40分ほど歩いた頃、左に「登山道コース」という標識を見出し、広い道と分れて樹林の中の小道へ。ここからは急に薮がちの道となり、樹枝や蜘蛛の巣を掃いつつ進行、そのうち道は左にトラバース気味に斜上して尾根上に。ここで右か左か迷ったが、もともと森まで歩く気はなく、とりあえず手近な高みに見当をつけて右へ。さらに深い薮をかきわけ、しばし登ると三角点のあるピークの頂上に達した。ハテ、一体何という山なのか… と周囲を見回すと、樹幹に「山頂天城山694m」という木製の標識あり。アマギサン? 長野市にそんな山があるなんて、知らなかった… (注:この山、国土地理院の地図上にも山名表示がないが、後でインターネット等で調べたら、アマギサンではなくテシロヤマと読むことが判明。)あまり展望の利かない薮がちの地味な頂上だが、付近を見回すと、古墳の石室らしきものが傍らにあり驚く。往時この地方を支配した豪族の墳墓址だろうか?
帰りは薮を嫌い、尾根通しに下ったが、途中、左手に千曲市の一重山あたりが長閑に見渡せるなど、事前情報ゼロながら爽快な山歩きだった。
長野市・薬師山
7/9、長野市の「薬師山」に訪問。昨日の天城(てしろ)山行の後、国土地理院の地図にあたってみたところ、天城山のやや下に「薬師山」という名の山があり、しかもそれが上信越自動車道の「薬師山トンネル」の上の山だと知ったことにより、参考のために是非一度訪れてみたくなったのだ。標高は低いし所要時間も昨日よりは大分短いはずだが、今日の天気予報は午後から雨ということだったので、それもまたよかろうと思い、昨日と同じ妻女山あたりから入り、地図に従って途中の分岐を右へ進む。
広い道を少し登ると、じきに円頂のピークがあったが、そこには三角点も標識もなし。後でいろいろ調べてみたが、これはどうも古墳らしい。昨日の天城山頂上にも古墳らしきものがあったが、どうもこの付近は、地理的に近い大室古墳群とか森将軍塚古墳とかと軌を一にする一大文化勢力圏の内に属するようだ。その証拠に、それからさらに進むと、今度はさらに壮大な前方後円墳の「土口将軍塚古墳」なるものに出くわしたのだ。これほどの史跡に恵まれた地帯であるのに、それまで全く意識してこなかった自分の不勉強を後悔。なお、地図では、それからさらに下ったへんに三角点があるはずだが、見当たらず、代りにお堂を見出す。さらに少し進んでみたが、その先はもう下るのみであったため、ある時点で引き返す。もっとも地図上でも、尾根の末端のような山で、頂上が判然としない山ゆえ、案外、最初に通過した円頂のピークあたりを頂上とみなしてよいのかも知れない。
帰途、ふと目にした雑木の幹に、最近あまり見かけない国蝶オオムラサキが吸蜜している様子が見られ、嬉しかった。