山行記録帳(2003)
〜Yamazaki's Photo Diary 2003〜


 【山行リスト】
 2003年元旦、初登り  太郎山頂上にて  武川岳  丸子町の富士山  4/13 物見山散策
 布引山に参拝  6/8 斑尾山にて  三方ケ峰散策  7/6 志賀山周辺散策  甘利山散策
 8/22 念願の岩手山に登頂  東館山にて  高峰山にて  鉢伏山にて  山口県、陶ケ岳
 山口県、東・西鳳翩山  11/23 郷里の里山再発見の機会に〜ノロシ山探訪
 12/13 郷里の里山再発見第2弾〜熊窪山  12/29 2003年最後の山行〜西上州 大桁山


 2003年元旦、初登り
 1/1、午後に自宅を発、夕刻、冠着山に登頂。
 この山、越年登山で結構な賑わいを見せるそうだが、私が行った時には、さすがに時刻ゆえか、他に一人の人も見当たらず。静寂の中、西の方を見やると、幾分薄赤く夕映えした北アルプス後立山連峰の面々が、私に新年の挨拶を告げてくれていた。






 太郎山頂上にて
 1/3、私にとって、本年2度目の頂は、「上田市民の山」こと太郎山。
 ここでは、一風変わったお地蔵様が出迎えてくれる。広い頂上の真ん中に、ただひとり、ぽつんと佇むお地蔵様… 一見、漠然とした情景ながら、それでいて、私の胸中に刻み付けられる印象は、なぜか、いつも強烈だ。それは、このお地蔵様が、ここで経てきた幾星霜の時の重みゆえなのだろうか…?
 (撮影時刻が遅く、暗く写ってしまったため、背景画像カットの処理を施しました。)






 武川岳
 1/13、埼玉県の武川岳に訪問。
 この山、実は昨年、たまたま隣の伊豆ケ岳からその姿を目にし、山容の立派さに、是非とも訪れてみたくなったという経緯がある。そして、その期待に違わず、良き雰囲気の山旅を私に提供してくれた。
 関東の太平洋寄りの山らしく、積雪は歩いてもほとんど気にならない程度。頂上からは、間近に秩父の名山武甲山が望まれた。
 折しもこの日は、アマチュア無線の「オール埼玉コンテスト」の当日。たまたま持参していたハンディ無線機で、ついついコンテスト参加してしまい… 夕刻近く、あわただしく下山。






 丸子町の富士山
 3/23、丸子町の「富士山」に訪問。
 鹿教湯温泉のいわば裏山であるこの山、登ってみれば当然、頂上から見下ろす同温泉街の眺めがよい。
 ちなみに、名前だけ聞けば、何かとてつもない名峰のようだが、実のところは素朴な里山。ただ、見る方向によって、確かに日本最高峰の富士山によく似た山容を示すのは確か。また、登山道中の随所に見られる馬頭観世音などの素朴な石像の類にも心魅かれる。
 昔も今も、地元の人々にとっては生活と非常に身近なところにある山のようだ。






 4/13 物見山散策
 4/13、家族とともに神津牧場付近をドライブ。
 その途中、折角だからと訪れた物見山の頂上からは、白煙たなびく活火山浅間山の展望が雄大。
 帰途、内山峠付近から、有名な荒船山の「艫岩」を見上げる。写真などで見慣れた風景ながら、現実に目の当たりにした際の迫力たるや、さすがに圧倒的。






 布引山に参拝
 5/11、家族同伴で、「牛に引かれて善光寺参り」発祥の地といえる、布引山に訪問。
 たまたま今年は、善光寺御開帳の年にもあたっており、訪問のタイミングとしては適当だったよう。
 登山口から、石段など良く整備された道を、周囲の断崖絶壁や路傍の石仏などに目をひかれつつ登っていくと、そのうち懸崖造りの布引観音が見えてくる。断崖絶壁に危うげにへばり付く観音堂に参拝、その右手の洞内をくぐると、道はさらに岩場伝いに「六角堂」跡へと向かっている。ここはさすがに少々危険なので、女房と子供は釈尊寺あたりに待たせておき、自分一人で六角堂跡を往復。
 観音堂まで戻ってみると、今度は緑したたる山懐に抱かれる釈尊寺のたたずまいに心魅かれる。特別信仰心が強いともいえない私にも、何か胸に訴えかけてくるかのような、素朴かつ荘厳な雰囲気。ここが以前から、信仰の地として栄えてきたこともうべなるかなと思える一刻だった。






 6/8 斑尾山にて
 登山口付近にて、まずはタニウツギの花の出迎えを受ける。花はまさに今が盛り、その鮮やかさに、まずは目を奪われる。
 頂上手前のピークからは、野尻湖が一望の下。文句なしの絶景、思わず快哉。
 頂上では、不可思議な「伝説」付きの薬師様の石祠に参拝。満ち足りた気分で下山。






 三方ケ峰散策
 6/22、家族同伴にて三方ケ峰に訪問。この山、傾斜も比較的緩く、高山植物も豊富な山域ゆえ、子供の山岳入門には割と手頃な存在。
 まずは尾根筋の道を三方ケ峰方面に向けて登行。途中、スズランの可憐な花などに目を魅かれつつ進むと、そのうち左手に池ノ平湿原が見下ろせるようになる。三方ケ峰はそれからすぐに達する。
 三方ケ峰では、今度は「高山植物の女王」ことコマクサの花々の出迎えを受ける。もっとも、そこはコマクサ保護のためとはいえ柵が張り巡らされ、山としての雰囲気的には今一つ。
 そのため、ほどなくして池ノ平湿原に下り、後は周囲の景観を楽しみつつ、木道伝いの平坦な道を、家族と共にノンビリ駐車場まで歩いた。






 7/6 志賀山周辺散策
 志賀高原の中でも、熊の湯から志賀山付近をめぐるコースは、行くみちみち湿原や池がいくつも出現する、変化に富んだ好コース。
 私はこのところ、年に一度は必ずここを訪れているが、この日(7/6)も、このコースは期待に違わず、多くの湿原や池の神秘的な情景を私に提供してくれた。






 甘利山散策
 8/3、子供の山での自然体験に適当そうな山ということで、家族と共に訪問。
 駐車場から頂上までは、ゆっくり歩いても30分程度ときわめて手軽、また特別危険箇所もない安全な山。しかも、そんな手軽な山にして、頂上に至るまでの間の明るい草付きは、文字通りのお花畑! ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメ、ヤナギラン、クルマユリ、ハクサンフウロ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、シモツケソウ… ことに、赤緑の色弱気味の私には、一面緑の草原の中に、薄い橙色のクルマユリを見出し得た際の嬉しさは相当なものだった。
 幼少の子供たちも、にわか植物研究家よろしく、一生懸命「これは?」と指差しては私に花名を問うていたが… さて、下山後、どの程度頭に残っているやら…?






 8/22 念願の岩手山に登頂
 この日は、それまでの冷夏がうそのように、本来の夏らしい暑さが戻り、大分汗を搾られる苦しい登りとなったが、ようやく到達した頂上では、予想以上の高度感があふれ、火山特有の荒涼たる情景の中、周囲に吹き抜ける涼風が心地よかった。






 東館山にて
 9/13、台風が日本近海をかすめて行った影響の猛暑の中、涼を求めて子供と一緒に訪れた志賀高原の東館山にて。
 今はちょうどマツムシソウが盛り。その鮮やかな水色の花の上に、クジャクチョウとヒメアカタテハが仲良くとまって蜜を吸っていました。






 高峰山にて
 9/14 例によって家族同伴で、高峰山に訪れてみました。
 天候は穏やかで、リンドウやマツムシソウがちょうど見頃。「高峰神社」のある頂上では、祠脇の「鉄剣」が天を突くかのごとく、凛とした威厳を周囲に発散していました。
 帰途、マツムシソウの花の上に、アカタテハが憩っていました。






 鉢伏山にて
 9月下旬、野暮用の余り時間を利用して、鉢伏山に駆け上がる。その直前、山麓では蝶が乱舞し、ことにミドリヒョウモンが目に鮮やか。
 「鉢伏山荘」の駐車場から、頂上を往復して戻った時には、はや周囲には夕闇が迫りつつあったが、ふと道脇に目についたトリカブトの花の中に、何と白いものあり、初めて見たので思わずシャッターを切る。
 その近くでは、他にヤマラッキョウも目についた。短時間ながら見ものが多く、満足感とともに下山。






 山口県、陶ケ岳
 9月下旬のある日、たまたま所用で訪れた地のすぐ近くにあるこの山が、小粒ながら岩峰で登行欲をそそったことから、その日の所用終了後、暗くなるまでのわずか2時間ほどの間を利用して、息を切らせつつ一気に駆け上がった。
 頂上到着後ほどなくして、西の山の端に日没。それを見届け、薄赤く染まる頂上周辺を見回すと、最高点とおぼしき岩上には「山上三社大権現」と彫られた碑あり。自然、それに一礼後、足元が暗くなるのと競争しながら、あわただしく下山。






 山口県、東・西鳳翩山
 9月下旬のある日、前日の陶ケ岳に引き続き、今日は東鳳翩(ほうべん)山と西鳳翩山に訪問。今度は、未明から本日の所用開始までの間のわずか数時間を利用しての特急登山。
 まずは「地蔵峠」から東鳳翩山に登頂。登ってみると、そこでは意外、早朝からの登山者数名に出会う。標高的には1,000mを割る一見平凡な山ながら、明るく開放的で展望抜群。地元では結構人気のある山らしい。
 地蔵峠に戻り、次いで西鳳翩山へ。もっとも、こちらはほとんど頂上まで車で行ける上に、頂上には無線施設があるため、山としての雰囲気は今一つ。頂上から、先刻登ったばかりの東鳳翩山をしばし望んだ後… 私は下界の所用の片付けに向かった。






 11/23 郷里の里山再発見の機会に〜ノロシ山探訪
 端正な容姿から、以前から気にはなっていたものの、近さゆえに、かえって訪れる機会がなかった、長野市松代「ノロシ山」に、今回ようやく訪れることができた。
 登山口は「白鳥神社」の鳥居。それをくぐって、ほどなく達する神社の脇の小屋の中には、市指定文化財の木造神馬の像あり。格子越しに中を覗き込み、思わずはっとする。まるで生きているかのような、素晴らしい出来映え。
 神社の裏手を登り、稜線上を進む。その途中、わずかに一輪のみ狂い咲いたツツジの花に心惹かれる。
 左から回り込み、最後の急登を乗り越えると、頂上着。そこからは、樹間に眼下の長野市街や、またその背景に高妻山はじめ戸隠連峰が望まれた。
 ごく短時間の山ながら、人気もなく、素朴で落ち着いた、存外良き雰囲気の山。私は何か「灯台下暗し」といった感慨をおぼえつつ、帰途についた。






 12/13 郷里の里山再発見第2弾〜熊窪山
 登山口は須坂市、仙仁温泉近く。かつての保科峠越えの道に入る。途中、目につく路傍の石仏が、その道の「歴史」の古さを無言のうちに物語る。
 林業公社の山林作業道を兼ねた道から、やがて細くなった道を急登しばし。明るい送電線鉄塔敷を経て、最後は笹薮をかきわけつつ、わずか登って頂上着。
 薄く雪化粧した三角点付近からは、期待に違わず展望良好。善光寺平、またその背景の北信五岳や北アルプス…… ことに東方、眼前に大きく迫る根子岳のヴォリュームあふれる姿は圧巻そのもの。
 好展望と歴史性とを兼ね備えた、好感の持てる山。先日のノロシ山に引き続き、またまた近在の知られざる里山の魅力を「再発見」できた、嬉しい山歩きの一時だった。






 12/29 2003年最後の山行〜西上州 大桁山
 一週間ほど前の大雪のため、家族連れでの今年最後の山行は雪の少ない西上州へ。この山、上信越道下仁田ICからほど近く、標高的にも家族登山に手頃。
 登山口に通じる林道は進むにしたがって細く、適当な所で駐車、後は徒歩で頂上へ。
 途中、西方に、荒船山の独特なテーブル状の山容、また北西には雪を戴いた浅間山の秀麗な姿に目を惹かれる。
 頂上近くでは、「上州のカラッ風」とでもいうのか、結構な強風でコンディション今ひとつ(4歳の長男が道脇の林中に飛ばされかけ、ベソをかき出したほど)。
 それでも、ほどなく達した頂上は、樹間から妙義山の一角などが望まれ、落ち着いて雰囲気良好な所。
 風が冷たく、さほど長居せず下山したが、本年最後の良き山行に満足感を覚えつつ、帰途についた。